どう控えめに言っても最高としか言いようがない。お洒落でキュートで可笑しくて切なくて、どこを切り取っても鮮やかな切り口に魅了されてしまう圧倒的な面白さ。気が利いていて洒脱な会話の応酬が大好きな「カルテッ>>続きを読む
前シーズンから13年後の第2シーズン。比べてしまうと相当に分が悪いけれど、こちらも十分に面白い。ひねくれた物言いがパワーアップしていて思わず吹き出してしまう場面は今回も盛り沢山だった。前とは違って他人>>続きを読む
映画版を先に観てどハマりし、原作エッセイを並行して読みつつ本ドラマ版を視聴。好みでは映画版>ドラマ版>原作といったところ。9人の男どもの賑やかな日常の学生寮的なおバカなノリが愉しそうで、僻地らしからぬ>>続きを読む
誰もに耳馴染みのある楽曲に頼ってドラマを分かり易く安直に作劇せず、筋金入りのクラシック音楽ファンが唸るような選曲でありながらその魅力をちゃんと伝えることでクラシックへの門戸を引き下げ一大クラシックブー>>続きを読む
頑固。偏屈。こだわりが強い。好き嫌いが明確。食事や趣味に対する儀式めいた向き合い方。女心が分からない。言うべきことは言わないのに言わないでいいことは言わずにいられない性分。押しに弱い。他人に関心がなく>>続きを読む
仕事に真心を込める意味。仕事に取り組む姿勢。先達が教えないのには理由がある。懇切丁寧に教わった物事を人は簡単に忘れてしまい易い。忘れたらまた教わればいいと思ってしまう、だから覚えるのに却って余計な時間>>続きを読む
アガサ・クリスティーの著名な長編に同じトリックがあったなぁと思い出す。古畑は即座に看破してしまったけれど…。トドメの重要証拠を得る際の古畑の不自然な挙動のせいでフラグが立ってしまったからラストの驚きは>>続きを読む
お話そのものがと言うよりも、見せ方や語り方こそが面白く感じられた。特異な世界観を完璧に現出して見せた凝りに凝った映像感覚や、あるきっかけでしょうもないこと(意味不明な単語に取り憑かれるだとかランニング>>続きを読む
如何にも実際にありそうなストーリーが滅法面白い。真実を伝えるべき報道番組におけるジャーナリスト精神の有無と強度。先回りし関係者にひたひたと迫るアンタッチャブルな存在の圧力。忖度に明け暮れるテレビ局の報>>続きを読む
こんなに誠実に作られたドラマは久しぶりな気がする。登場人物の心の機微を誰一人取りこぼすことなく丁寧に描いていて目が離せない求心力があった。生方美久は初のドラマ脚本だったらしいけれど、それが信じられない>>続きを読む
決意して東京で下宿生活を始めた親友二人が、窮乏した暮らしの中でも金にならない仕事を引き受けたり、困った人を手助けしたりしながら、その誠実な態度と仕事ぶりによって調法がられ信頼され、幸運にも割と早くから>>続きを読む
運と縁に導かれて、人との出会いに恵まれ愛に包まれたその男。てもそれを掴んだのは誰にでも胸襟を開いて接する主人公の人懐こさに、類いまれなる愛され力によるものだろう。芽が出ずとも、しくじっても見放されない>>続きを読む
毎回ある美味しそうな料理の数々はまさに飯テロ。ただお話としては毒にも薬にもならない印象。どんな形のものであれ自分の性的嗜好についてこんなにも無自覚な主人公のありようはあまりに浮世離れしていてとても信じ>>続きを読む
コトー以外の誰にも告げずに東京でガン闘病するアヤカの日々、彼女の代わりに島にやってきた頼りない新人看護師ミナが成長していく過程、息子の学費稼ぎに無理してトラブルをいくつも抱え込むも仲間の救いの手を拒み>>続きを読む
人から信頼されるに至るまでの道のりは平坦ではない。覚束ない覚悟は平生の姿勢に表れ、すぐに見透かされる。まず自分の方から先に一歩踏み込んでいくこと。それを積み重ねること。心を閉じた者に心開いてくれる人は>>続きを読む
初恋、親友とのいざこざ、己の人生への覚悟と、タケヒロの勇気が試される回。星野の妻マサヨの発病と重い後遺症の厳しい介護、兆候を見過ごしてしまった夫と娘アヤカの後悔が並行して描かれる。長尺な二話分をかけた>>続きを読む
手付かずのまま棚上げされる僻地の医療問題。医療を諦めた人々を、諦めない医師が癒やしていく。それは彼の過去への贖罪でもあった。医師の真剣な姿勢は人々に伝播し受け容れられ、彼自身をも癒やしていく。互いを信>>続きを読む
物事の本質を直感的に見抜いてしまう太郎のあまりにも明晰な知性は進歩的な世の流れから常に逆行しており、芸術家というよりはむしろ優れた文化人類学者のそれのように私には思えて仕方ない。私たちの世代にとって彼>>続きを読む
岡本太郎作品をモチーフにした怪獣たちを、これまた岡本太郎作品をモチーフにした巨大ヒーロー(「パンズ・ラビリンス」のペイルマン風でもある)がやっつける、70年代作品の体で作られた特撮ヒーロー活劇。岡本太>>続きを読む
個人的な最愛作家の一人である津村記久子の著作をドラマ化してくれたことは嬉しい。ただ出来映えがあまりにあまりに残念。津村作品にある独特なニュアンスを映像で表現するのが難しいことは想像できる。どこにでもい>>続きを読む
恋愛感情なし、性交渉なしを前提に自称「家族(仮)」の同居を始めたカップルの顛末記。最初の数話がアロマンティック、アセクシャルの用語説明のような調子で心配したけれど、空気を読まない主人公の元カレが二人の>>続きを読む
横溝正史が自信作と語る原作で、個人的にも金田一シリーズの代表作だと思っているのだけれど、何故だか映像化とは相性が悪いようで、西田金田一版に続いて本作も酷く退屈な仕上がりだった。事件の概要のあまりの陰惨>>続きを読む
悪ノリ具合がいよいよ過剰になってきて、それはそれで抜群に面白いのではあるけれど、そちらの分量が増した分だけ物語そのものへの興味は前シーズンより更に目減りした気もしないではない。元々お話の進め方自体はひ>>続きを読む
これからのフィクションが避けて通れないだろう”コロナ禍”をいち早く取り入れそれを物語の主軸とした慧眼。そして勿論それだけでなく”お仕事ドラマ”と”家庭ドラマ”としても出色の出来栄えだった。コロナ禍の中>>続きを読む
少年時代の古畑任三郎が巻き込まれた事件の顛末。古畑を中学生に置き換えただけで、それ以上でもそれ以下でもない。いささか食い足りない。彼の未来に影響を及ぼす”ある人物”が良いことを言う。
いろんな映画やテレビ番組などから引用したと思しきイメージやらギャグやらモチーフやらを散りばめながら、最後に至ってこれはデヴィッド・リンチ風、こと和製ツインピークスを狙ったものではないだろうかとふと思っ>>続きを読む
何となく「孤独のグルメ」の二匹目のドジョウを狙った作品のような気がした。
強面のセールスマン→見目麗しきOL
外食→自炊
下戸→上戸
ランチ→晩酌
といった具合にいくつかの設定が逆さまになっている。コ>>続きを読む
店主の個性が際立つピザの回が楽しい。ただ個人的にはこのシリーズの楽しみ方がよく判らない。
このレビューはネタバレを含みます
言わずと知れた最上の倒叙ミステリシリーズ。(点数はシリーズ作品の相対評価)
<旧シリーズ>
1「殺人処方箋」4
精神科医とその愛人が犯人。単発版。替え玉を用いたアリバイ。水も漏らさぬ完全犯罪の妻殺し。>>続きを読む
偶に観ていたけれど1シーズンを通しては初めて。近作の印象より主人公がシニカルな気がする。毎度同じパターンで見飽きる感じはある。わさび丼の回が印象的。ただ総じて面白みは微妙な気がする。おかずのボリューム>>続きを読む
想い合っているのにもどかしく縮まらない二人の距離のお話それ自体はベタな恋愛ものでどうということもないけれど、コの字カウンターのお店の魅力はよく伝わってくる。実際にあるお店の実際の店主らが演じているのだ>>続きを読む
映画にもなった清張短編の1978年ドラマ版。家出少年が天城峠ですれ違う人々。旅の寂しさや不安を紛らすように声を掛け合いしばし同道して歩くのが、大正期と今との旅の意味合いの違いを感じさせる。少年が途中で>>続きを読む
犯人が弄したトリックがたわいなく、それが解かれていく過程自体への興味も薄めで、ミステリとしての魅力が高いとは言えないだろう。けれど犯人を演じる山口智子の存在感はやはり印象的。彼女の湛えた一種独特な風情>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
松本清張の描く人間ドラマは滅法面白い。それはリアルな感情に肉付けされた人物像が実体を持って私たちの眼前に立ち上がるからだろう。妬み嫉み。虚栄心。功名心。情欲。金、金、金…。欲望にまみれた男女のおぞまし>>続きを読む
福島で津波に呑まれ瓦礫に乗ったまま沖に流され、3日間もの長きに亘り海上を漂流し九死に一生を得た男性と、その妻、東京に暮らす娘夫婦の実際の3.11被災体験を再現。かなりマイルドな表現にしてあるけれど、そ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
原作に忠実。ドラマの作りもキャスティングもいい。エキセントリックな金田一像を好むと好まざるが評価の分かれ目となりそう。その辺の現代感覚も個人的には面白いと思った。けれど原作小説が日本ミステリのオールタ>>続きを読む