MariaElena

いちばんすきな花のMariaElenaのレビュー・感想・評価

いちばんすきな花(2023年製作のドラマ)
4.5
“普通の人”と“普通からわかりやすくかけ離れた人”のどちらにも該当せず、社会からいないこととして無視されこぼれ落ちた人たちのことを、やっとゴールデンタイムのドラマで焦点に合わせてくれた。という気持ちがした。

皆んなは何ともなさそうな相手の当たり前の言葉やノリに傷つく、落ち込む。でもそれを言うと「病んでんのかよw」と言われその言葉にも傷つくから言わないようにする。なかったことにする。無理して普通になろうとする。
紅葉くんの「“死にたい”を“おなかいたい”ぐらいの感覚で人に言えたら」という話が一番印象に残ってるかな。

ゆくえ、椿、紅葉、夜々の4人が意気投合して、今まで人に理解されなかった自分のつらい感情を共有し合う内容やけど、凄いのがその4人のしんどさの種類って別なんよね。似た者同士がわかる〜わかる〜って傷舐め合って、“普通”と言われるうまく生きていけている人たちのことを悪く言う集まりではないところが素晴らしかった。

このドラマが放送され始めた頃、ここで「セリフがネガティブで気持ち悪い」や「繊細さんの話か」というのをよく目にして、その時は冷たいなぁ…悲しいなと思ったんやけど、今思えばそういう感想があるのが当たり前やと気づいた。
だって、このドラマを見た人全員が共感していたら、この4人組が出来ることはなかったよね。人に理解されずにつらい思いをしている4人を描いているドラマなんやから、そのドラマを見て理解できんわって感想が出てくるのは自然なことだよね。

どうか、繊細さん。と自分とはカテゴリを分けて捨てるように判別せず、こういう人たちもいるんだね程度に思ってもらえたら有難いんやけどね。繊細さん達は決して「鈍感さん」と嫌味で言うことはないのだから。(むしろ鈍感が良いとされる風潮に馴染もうと無理したりする😂)

主題歌が素晴らしく良くて、これがきっかけで藤井風さん聴くようになった。
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