めしいらず

天皇の料理番のめしいらずのレビュー・感想・評価

天皇の料理番(2015年製作のドラマ)
3.0
仕事に真心を込める意味。仕事に取り組む姿勢。先達が教えないのには理由がある。懇切丁寧に教わった物事を人は簡単に忘れてしまい易い。忘れたらまた教わればいいと思ってしまう、だから覚えるのに却って余計な時間がかかる。必死になって食らいつき感覚を研ぎ澄ませて盗み学んだことはすぐに血となり肉となる。一度覚えたら忘れない。出鱈目な腰の据わらぬ生き方の主人公がようやく見つけた本気になれる仕事。何をどうやればいいか常に考える。どうすればより良くなるか考える。そして率先して動く。そうやって仕事を覚えるほどにどんどん楽しくなり好きになっていく。仕事も人生も同じだ。その時には何が正解なのか分からない。ずっとずっと後で振り返った時にその一つ一つの意味が理解できるもの。それが人生。だから今できるのは後悔しない方角へ遮二無二進むだけ。振り返ったその時に後悔がなければそれまでの過程は全て正解だったと認められるだろう。正解も不正解も決めるのは結局自分自身なのだ。中途半端で堪え性のなかった主人公が、周りの人々の言外の言葉に耳を傾けられるようになるまで。自分の駄目な部分を自分で笑い飛ばせるようになるまで。込めた真心には必ず真心が返ってくる。
めしいらず

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