ヴレア

銭ゲバのヴレアのレビュー・感想・評価

銭ゲバ(2009年製作のドラマ)
4.5
金で不幸になった風太郎が金に勝つ為に執念を燃やす。
金より大切なものは人の心だとは言っても、世の中には金が無きゃどうにもならない事もある。
そんな時に見せる人の心の弱さだったり、欲望や醜さというものがまざまざと描かれていた。
かなりエグいけど全く飽きさせない展開で面白かった。マツケンの演技が神懸かっていたし。
あと、普通ドラマって最終回はつまらないものじゃないですか(私の持論)、しかし、このドラマは最終回がちょっと凄すぎてヤバい。
これまでの展開は全部最終回に向けての前振りだったんじゃないかという位の予想外かつ全く隙の無い内容。





【ここからネタバレ】
エヴァンゲリオンの最終回でもやってましたけど、風太郎の思い描いたハッピーな世界を見せるというifの世界。
それを描きつつも直ぐに現実に引き戻す風太郎の鬼気迫る顔。そのギャップが凄いし、本当はこんな幸せな世界を思い描いていたんだなぁと思うと涙無くしては見られない。
幸せそうな登場人物を写しながらも同時にその人物が死ぬ現実の姿を見せる演出も凄い。
また、さりげなく茜が風太郎に耳を塞がれても聞こえていたという伏線を回収していたのもポイントが高い。

そして、ラストは「TENET」よりも早く逆行していたマツケン。ダイナマイトが爆発する前に逆再生し視聴者に向かって風太郎の説教
で終わるというのも強烈な余韻を残す。
ほんと、凄いドラマだったなぁ。
ヴレア

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