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レクティファイ 再生のGreenTのレビュー・感想・評価

レクティファイ 再生(2013年製作のドラマ)
4.0
これも掘り出し物でした!

ダニエル・ホールデンは18歳のとき、当時16歳だったガールフレンドのハンナをレイプ・殺害したとして死刑の判決を受け、19年も死刑因監房で死刑を待っていたが、DNA解析で犯人はダニエルでないか、もしくはダニエル1人の犯行ではないとして判決が無効になり、ダニエルは出所することになる。

18歳から20年あまりも刑務所にいたのですから、今は30歳後半。無実だとしたら、この失われた時間は大きいですよね。しかも、この20年の間に父親が亡くなり、母親のジャネットは再婚して、連れ子のテディとは会ったこともない。

母親と再婚したテッドはいい人で、家業のタイヤ屋さんはダニエルの父親が経営していたのを引き継いだので、もしダニエルが引き継ぎたいというのなら手放すと言うのですが、テディは、自分が相続できると思っていたタイヤ屋を取られるのはイヤ。テディの奥さんのタウニーは、敬虔なクリスチャンで、ダニエルを救おうとする。

実の妹、アマンサは、ダニエルの無実を信じて弁護士を雇い戦ってきた。ジャネットとテッドの間に生まれた末っ子のジャレットはまだ高校生なんだけど、ダニエルとなんとか仲良くなろうとするところが泣ける。

ダニエルは18歳で刑務所に入れられたので、高校生から成長していない。というか、成長はしているんだけど、時が止まってしまっているっていうか。屋根裏にしまわれてしまった自分のカセットテープやTVゲームや洋服なんかを見つけて、急に元気になるところが可哀想だった。

このシーズン1は2013年なので、20年前っていうと1993年ってことになるのだが、カセットとかウォークマンって、まだ使ってたっけ?曲も、1993年くらいの高校生が聴いている曲なのかちょっと違わない?とか思った。TVゲームはやらないからわからないけど。

それは些細なことなのでまあいいんだけど、とにかくこのダニエルの境遇に本当に心から同情してしまう。回想として挿入される『ショーシャンクの空』並みの辛い監房生活。だけど友達もいたり、こんな生活でもなにかしら一筋の光が挿すものなのかなあってところが泣かせる。

外に出てきてから、失われた時間を取り戻せなくてもがくところもなんだろ、脚本が上手いのか、役者さんがいいのか、とにかく刺さりまくる。

判決が無効になっただけで、まだ無罪が証明されたわけじゃないので、嫌悪する人や、おちょくって来る人なんかもいるんだけど、案外無実を信じて応援してくれる人もいて、そういう人たちとダニエルの交流が泣かせる。

ハンナの強姦殺人に真犯人がいるんじゃないかと示唆されたり、やっぱりダニエルがやったんじゃないかとも思える作りにもなっていて、その辺のミステリーも興味を惹かれる。

ちょっと『ツイン・ピークス』的な、ダニエルの周りにいる様々なキャラをみんな深堀りしていくようなところがあって、シーズン4まであるみたいなので、この先も楽しみ!
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