MIDORI

ER緊急救命室Ⅷ <エイト・シーズン>のMIDORIのレビュー・感想・評価

4.0
私がERで好きなキャラクターは、グリーン先生、ベントン先生、カーターの3人で、そのうちの2人がこのシーズンで降板してしまう。とにかく寂しい。次のシーズンからグリーン先生もベントン先生も全く出てこないんだなぁと思うとそれが悲しくて、カーターのためだけに今後は見ます…(カーターもあと3シーズンで降板ですが)

シーズン8はやっぱりグリーン先生とベントン先生がラストということもあり、前半はベントン先生の話多めで、後半はグリーン先生というストーリーになっていました。この2人の特徴は、“とにかくツイていない”ところ。このキャラばっかりなんでこうなるかね?ということばかりがやたら起き続けるキャラクターたちで、仕事ぶりは真面目なのに変なことに巻き込まれがちで、それがドラマを面白くしてました。ロス先生のようにめちゃくちゃイケメンな上に小児科医というスペックを持ったキャラとかではなく、容姿は普通で仕事ぶりも真面目なのに運が悪すぎて目立つ、という展開に目が離せなかったです。あと、この二人の共通点といえば気の強い女を好むせいでめちゃくちゃ振り回されるのと、コーデイです。最初外科医の同僚だったベントン先生がコーデイと付き合っていたものの別れ、ひょんなことからグリーン先生とデートし始めてそのまま結婚して子供まで生まれるという、とんでもなくスピーディーな展開でした(笑)今回はグリーン先生の前妻との子供レイチェルとコーデイが揉めたりごちゃごちゃあり、久々に前妻も登場したり、懐かしかったです。

グリーン先生から届いた「ERのギャング共」という手紙がとても良かったです。グリーン先生が残していった全てが良すぎて、やっぱりグリーン先生のいないERはERじゃない。指に棘が刺さった小さな女の子がERに来て、「僕の最後の患者になってくれる?」と優しく聞くグリーン先生にも涙。

20話ではグリーン先生の手紙を読んでから、いつも通りのドタバタのERで過ごした後に、グリーン先生のロッカーを片付けるカーター。グリーン先生がいつも着けていた聴診器をかけてみたり(笑)そして、ERに全身血まみれの銃槍患者が運ばれてきて、ショッキングな患者の姿にインターンのガラントが体調を崩してしまう。外で休憩するガラントを心配しに来て話しかけるカーターの姿は、ERの記念すべき第1話で迷走神経反射を起こして外で休憩していたカーターに話しかけたグリーン先生のオマージュでした。ありがとうグリーン先生。

ベントン先生の最後も意外な展開で、いつだって仕事一筋だったベントン先生が息子の親権を巡って争うことに。そして、リースと過ごすために退職し、病院を出て最後に会話するのはやっぱりカーターでした。ベントン先生の最初の教え子がカーターで、外科医志望だったカーターが突然ERに行ってしまいショックを受けていたベントン先生(笑)その後も二人は強い信頼関係があり、カーターがPTSDで荒れていたときに手を差し伸べたのはベントン先生でした。最後にハグするベントン先生の姿は、医師として働いてるときのポーカーフェイスではなく、リースの父親として優しい顔をしていて素敵でした。

カーターには外科医の大先輩ベントン先生と、ERの大先輩グリーン先生という二人の真面目な医師から指導されて、失敗と成功を重ねながら成長していくカーターの姿は、今回降板した二人の医師あってなのです。ついにERのオリジナルメンバーはカーターのみとなり、次回からはカーターが中心です。ERの古株として降板するまでカーターらしく輝いてほしいなと思います!
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