ソラアユム

ウィッチャー シーズン1のソラアユムのレビュー・感想・評価

ウィッチャー シーズン1(2019年製作のドラマ)
4.3
『リヴィアのゲラルトを探しなさい…それがあなたの運命よ』
 

鑑賞期間:2022/1/2~1/7
2022年1本目
アンドレイ・サプコフスキのファンタジー小説でゲーム化もされた『ウィッチャー』シリーズの実写ドラマ版
原作未読、ゲーム未プレイ

【総評】
 緻密で奥深いファンタジー世界の魅力を、3人の視点人物を通して描く秀作ドラマ

【良】
 ヴィジュアルが何より素晴らしい。この世界観を描くうえではCGも必要不可欠だが、セットや小物使いが特に巧く、ファンタジー世界を見事に構築して見せている。さらにはこの世界の中での文化や歴史的背景もユニーク且つ興味深く、原作小説は是非とも読んでみたいと思った次第である。
 視点人物3人のキャラクター造詣も見事。凄腕怪物ハンターでウィッチャーのゲラルト、亡国の王女シリラ、魔術の才能を開花させたイェネファー。全員がチャーミングで人間的な魅力にあふれている。この3人(あとは吟遊詩人のヤスキエル)は毒舌、皮肉が多いツンデレキャラだけれど、だからこそ、ここぞという場面で本音を伝えるシーンが心にくる。

【悪】
 原作未読者、ゲーム未プレイ者には不親切設計ではある。3つの異なる時代のストーリーが同時並行で描かれるため、少なくとも1~3,4話あたりまでは時系列が分からない仕様になっている。専門用語や大陸の地名などの固有名詞も、特に何のフォローもなく会話の中で飛び交うので字幕を推奨する。専門用語に関しては“そういうもの”と割り切ってスルーしてしまってもほとんど差支えないが、ストーリーの根幹に関わる「驚きの法」くらいは予備知識として調べておいた方がいいかも。
 

【まとめ】
 特に序盤はとっつきにくさがあるものの、ダークファンタジードラマの秀作といえるのではないかと


以上