漱石枕流

ハンナ ~殺人兵器になった少女~ シーズン2の漱石枕流のレビュー・感想・評価

3.9
S1からずいぶん間を置いてしまった。よって、ついていけるかどうか心配だった。

特に人間関係に関して忘れてしまっている部分がある。たとえばマリッサがなぜハンナに味方するようになったのか、などを憶えていなかったのだ。が、そこは不思議と観ていて気にならなかった。とても入りやすい作品だと思う。

兵器として情緒なく育てられた少女たちが、(隔離はされたままだが)一般生活に近い環境を与えられるようになる展開は、おもしろかった。あの世代を等身大に描きつつ、一方で彼女たちがエージェントであるという非日常的な部分もある。このふたつが背中合わせになって描かれているところがとてもよい。

終盤はそのスパイ活動の方に焦点が当てられているのだが、ここの展開が特におもしろかった! 最後まで雑にならずに丁寧に描かれているので、急展開でも置いてきぼりになることがない。主演をはじめとするキャストの演技もよかった。

この作品は、ボーンシリーズの大ヒットを受けて多数作られたバリエーション作品のひとつだと私は思っているのだが、そのなかでも出来栄えが上クラス。中途半端に終わった劇場版を見事に復活させたと思う。

つづけてシーズン3を鑑賞予定。どんなラストになるのか、とても楽しみである。

[ドイツ語吹替音声+日本語字幕]2022/09/03-10 Amazon Prime Video
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