このレビューはネタバレを含みます
一言で言うと、「焦らされたなぁ」、そんな感じ。
幸の薄い、地味で、生きていくのが息をするのが辛そうな、永作博美演じる山本美紀。
警察が自宅を訪ねて話を聞く、容疑がかかり任意同行で警察署で話を聞く、裁判になり弁護士が話を聞く、、、どれも、山本美紀の本心が見えなくて、じっと何かに見つからないように隠れているような、そんな印象を受けました。
けれど、市原隼人演じる高見沢から見た綾子さん（山本美紀の偽名）は、生き生きとしていて明るくて楽しい事が好きな人に見えました。後半、裁判にかけられた馬場さんとのエピソードを振り返る時も、普通の女性で。馬場さんの趣味の花の写真に興味を示していたり。
それは、あまりにも裁判の時と印象が違うし、それに山本美紀は何も核心に触れるような事は話していないので、私はじっと座って何かを起きるのを待っているような気持ちで観ていました。
よく、裁判モノってドラマで観ますけど、ここまでひとつひとつの言葉に注力した事はないです。沈黙が多いし、核心を突く事を言わないから、ひとつの証言にギュッと関心が集まる。観ながら、その場の緊張感や山本美紀は何を言うんだろうって考えて、傍聴席にいるような気持ちになりました。面白いなぁって思いました。
だらだらと書きましたが、弁護士役の田中哲司さん、とても好きでした。山本美紀にありがとうって言われた時、ちょっと好きになっちゃったのかなと思ったけど私の勘違いですかね。
