マルコ

インフルエンスのマルコのネタバレレビュー・内容・結末

インフルエンス(2021年製作のドラマ)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

ひさびさに次が早く観たくなる面白いドラマに出会えた感じです。
リアルタイムで放映された時もあらすじを見て気になっていましたが、忙しくて見られず。でも、一気見できる配信で見られてよかったです。5話と話数が少なかったこともありますが、一気見しました。

全体の雰囲気としては、暗く、曇り空の中で地面の少し上をずっと低空飛行しているような雰囲気です。殺人を犯す3人の心の機微が描かれていて、最後まで真実がわからない手元しか見えないようなストーリーの進め方がワクワクしてとても好きでした。

そして意外と印象に残ったのは、殺人を犯した後に友達と笑ったり家族とご飯を食べたりしているシーンでした。わざとらしくなく、ただそこに娘や生徒の1人として存在している友梨。殺人犯の友梨ではなく、友梨(殺人を犯したことがある)、というように。

3人の気持ちは正直分かりません。その時々で言うことが変わるのも分かりません、けどそれが人間かもしれない。憎いと思って過ごしていたけれど、時に感謝すべき事が起きると過去までもそう思えていたような気がするのは、里子だけではない気がします。

友梨の身代わりになった里子は、最初から祖父を殺してもらおうと思っていたのかはわかりません。でも、他の行動を見たとき、行動的な人間だとはあまり思えず意外と保守的・熟慮タイプなのではないかと思います。そんな里子が衝動的に公園へ行き、男にトドメを刺した行動には、友梨を守る気持ちがほとんどを占めていたのではと思いました。そして、人の罪を被るのに全く無関係であれば嘘が見破られると思いそれでは庇えきれないから最後の息の根を止めるトドメを刺して敢えて自分を深く関与させたのだと思いました。

友梨を騙って小説家に会いに行ったマホは、物語上マホに話をさせるのがよかったという点以外に笑、話していたように友梨に起きたことを自分に取り込んで融合したかったんじゃないかと理解しました。友梨は友梨であり、私(マホ)でもある。

事件が明らかになった後、友梨や里子、マホ、そして母親や夏目さんのその後の人生について全く語られていなかったのが残念でした。どう生きていったのかとても気になりました。

正直メインのキャストの方を見てアイドル番組かなと思っていたけど、皆さん演技が上手で印象とは真逆でした。これは人に薦めます。
マルコ

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