Masato

ロキ シーズン2のMasatoのレビュー・感想・評価

ロキ シーズン2(2023年製作のドラマ)
4.2

MCUドラマ初のシーズン2。衝撃のラストで幕を閉めた前シーズン最終回の直後から始まる。

本作はマルチバースの核心を取り扱っているために設定が非常にややこしくなっているので、前シーズンの復習とか解説は事前に済ましておくと良い。前シーズンに比べてタイツスリップがたくさん行われて設定がさらに複雑になっているので気合い入れて見ましょう。

今回はスペクタクルさが大きく減少している印象だった。前シーズンは映画のようなリッチさを感じさせる展開や映像の数々であったが、今回はスペクタクルなシーンは殆ど無くて、大半はTVAで展開していくのでドラマ性が主となるといった点ではドラマらしくなっていたが、少し迫力のあるシーンは欲しかったなと思う。6話とタイトなので入れる隙があまりなかったかもしれないが。

マルチバースの核心とロキのアイデンティティに迫った前シーズンの完成度の高さには到達していないけれども、4話ラスト以降からの想像つかない世界が待っているようなワクワクと怖さが同居した感覚、そこからのストーリー展開は見事だった。最終回になってやっと分かったけど、今シーズンは前作でアイデンティティを取り戻したロキがそれを受けてヒーローになっていくまでを描いていたね。ヒーローとは…つまり自己犠牲。

美術や映像、演出に関しては前シーズンよりも格段に上がっているように感じた。レトロフューチャー感がより増したセットや、やんわりボヤケた古臭い質感の映像(これは前シーズンも同じだったかもしれない)、ユニークなカメラ回しなど面白いなと思った箇所は沢山あった。特に美術関連は賞レース総ナメするんじゃないかってくらいに素晴らしい。

キー・ホイ・クァンの次がコレって単純に凄い躍進だし、キャラクターも演技も素晴らしかった。なんでこんな逸材を長年ほったらかしていたんだ!ハリウッド!
Masato

Masato