さく

ウォッチメンのさくのネタバレレビュー・内容・結末

ウォッチメン(2019年製作のドラマ)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

有名なコミックを原作に、アメリカ人でも知る人ぞ知る実際の事件を筆頭にオリジナル性がたくさん組み込まれており、原作ファンもそうでない人も楽しめる作品なはず。

話の本筋が「核戦争」から「人種差別」に変わっていたのも、コミック/映画の舞台であった30数年前とは異なる現代の”不安”に合っていて、今の時代に作られるべき・見るべき作品だなあという印象。

本作のテーマの一つでもある「マスク」と「人種差別」。マスクで身分を隠していたKKKと、顔を隠さず堂々とヘイトクライムを犯す現代の差別者たち(近年の人種差別事件の代名詞ともいえるシャーロッツビル事件とか)。現代でマスクが必要ない理由は、国のリーダーであるトランプが”誇らしげに”人種差別をしていることが後ろ盾になっているからなのか、とか思った。

あと、現実世界では意図的にもみ消されたタルサ事件。本作では事件が正しく調査され、謝罪と償いがなされていたが、それによって妬みが生まれ、差別心を強めている(結局人種差別はなくならない)というのも興味深かった。

さておき、こういう新たな視点を与えてくれる作品は大好きだ。何度見ても新しい発見がありそう。し・か・し、エンディングがあまりにご都合主義すぎたのがガッカリ。タルサ住民を絶滅させる規模とか言いつつ、邪魔な奴だけ都合よくやっつけた冷凍イカ、酷い。

ところどころにある矛盾点のせいで、同じくHBO作品であるチェルノブイリのようなパーフェクトなシリーズにならなかったのは惜しくて少し残念。
さく

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