監督の初ドラマだそうです。
ルカ・グァダニーノ監督作と聞いて観ない訳にはいかず、スターチャンネルのお試しに入ってしまった……😅
青春ドラマの傑作だと思う。
わたしは性認識で悩んだり、迷ったりしたことはなかったけど、今直面している人はぜひ観てほしいし、そうじゃない人にもぜひ観てほしい。
人間の性は、曖昧なんだろうなぁと思う。
本作では、自分が信じてきたアイデイティティが崩れる瞬間を、疑似体験できます。
と書くと不穏な感じがしますが、前向きで、人の痛みを包むような表現や台詞の数々に、救われる作品でもあります。
とはいえ、歯の浮くようなうわべだけのエールではないところが、監督らしくて素晴らしかった。
そして、変に作り込んでいない映像がいい!
そして、ジョン・アダムズ、デヴィッド・ボウイ、プリンス、ケンドリック・ラマーらの楽曲の入れ方が、すんごくいい!
映像と音響の妙で、10代の若者のリアルな心の動きが手に取るように感じられました。
びっくりしたというか監督らしさを感じたシーンは、主人公フレイザー(ジャック・ディラン・グレイザー)とケイトリン(ジョーダン・クリスティン・シモン)のトイレのシーン。
フレイザーが用を足しているときに、後ろからケイトリンがやってきて「おさえてもいい?」という。
なぜか、ゾクゾク 笑
その後ケイトリンがフレイザーに「きれいね」っていう台詞にもゾクゾク 笑
ケイトリンは身も心も男でありたいと思っているので、羨望の気持ちの言葉かと。
と同時に、フレイザーには唯一無二の特別な感情があるんだなぁと、二人の友情を微笑ましく思いました。
出会えて良かったね、と。
一番気に入ってるシーンは、フレイザーとケイトリンがデヴ・ハインズことブラッド・オレンジのライブに向かうシーン。
ヒッチハイクで出逢った少年とフレイザーはファッションの話で意気投合。
「ジュンヤ ワタナベはあの"いびつさ"がいいんだよ」とフレイザーが力説していた。
フレイザーの精神とジュンヤのブランドスピリットががっちり合ってるし、長年のギャルソン信奉者のわたしは、この台詞でノックアウトでした。監督、天才か!
わたし、絶対にフレイザーと友達になれる自信がある😤笑
ラストのブラッド・オレンジのライブのシーンも沁みた、沁みた。
性に不寛容な日本人には理解しづらい部分があるかもれません。
共感できずとも、純粋に作品のメッセージとフレイザーとケイトリンの関係を噛み締めてほしいなぁと思います。
この作品の余韻から全く抜け出せずにいるほど、ほんとに素晴らしかったです…!