『ミラベルと魔法だらけの家』の同時上映で、こちらも家族の在り方をテーマにした作品です。まさかの2D回帰に驚き。さらにこちらは極彩色のミラベルと対照的な抑えた色合い。
浜辺で貝を捕ろうとするのを見て『ひな鳥の冒険』を思い出していたのですが、こちらは「危険に満ちた世界から子供を守ろうとする厳格な親」と「好奇心旺盛で思いっきり遊びたい子供」の緊張感あるやり取りが描かれる。
餌の取り方を教えるためにあえて危険な世界に誘った『ひな鳥の冒険』と正反対だ。
しかもしっかりと捕食者の襲撃を受けるという、同時上映の短編らしからぬハードさにびっくりしたよ……
自分が痛い目を見たから子供にはそれを繰り返してほしくない、しかし……
時は流れて、幼かったアライグマも子供を持つようになった。
大人になり、親の気持ちが理解できるようになった一方、ふと気づくと自分も親にされて嫌だったことを繰り返そうとしていた。
だけど、気づくということが重要で、子供を抑圧する親から脱却して一緒に鳥を追いかけ、貝殻の音を聴く所でジーン。
それまでずっと張り詰めた空気が漂っていたのが、ようやく解きほぐされた感じ。
ミラベルへの導入への役割をしっかりと果たしてくれました。
