じわっと熱いものがこみ上げた良作。
「メタモルフォーゼ」は生物学用語で「変身」を意味する。BLファンであることを人に隠してきた女子高生うららが、たまたまBLファンになった75歳のおばあちゃんとの交流で少しずつまさに「変身」いく映画。「変身」するのはうららだけじゃないとこも、ほっこり感動した。好きなことがあること、それを共有できる友達がいるのって本当に大事。
「人生はどうなるかわからない」という信念の元、好きなことを好きっていうことが素敵なことだと優しく応援する宮本信子さんが本当に素晴らしい。伊丹十三監督の作品ではパワフルなイメージの役が多かったけど、今はこんな素敵なおばあちゃんなのね。酸いも甘いも噛み分けた貫禄が凄すぎる。
対する芦田愛菜にも本当びっくり。やっぱ演技上手いし、中途の「ずるい」の一言で一気に本作の世界に引き込まれたし、その気持ちが凄いよく分かる。雪さんと出会えて本当によかった。
ちなみに、うららのお母さん役の伊東さんは本作のエンディングテーマのオリジナルを歌ってる人、という豆知識。
「あなたのマンガのおかげで私たち、友達になれたんです」...めっちゃ泣ける。