アギゴン

なん・なんだのアギゴンのネタバレレビュー・内容・結末

なん・なんだ(2021年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

(ちょっとあらすじ)

妻の美智子が、ある日、外出中にひき逃げにあい、病院へ運ばれた。三郎は娘家族と京都の病院へ向かう。
命には別状無い状態ではあったが、美智子の意識は戻らず数日が過ぎる。妻の所持品になぜか古い家族のアルバムと、昔妻が愛用していた古いカメラがあった。
三郎はカメラの中に残っていたフィルムを何気なく現像に出した。
風景写真の中に紛れて、見たことの無い男の顔が写っていた。
40年連れ添った夫婦の間で、大きな波が押し寄せる。動揺しうろたえる三郎だったが、妻とその男の真実を確かめるべく、過去へ向かって旅を始める。





(久々長い感想文なのでダルいです。読まなくていいです)

グダグダとひがな一日を過ごし、ふんぞり返って隠居生活をしていた、元大工の三郎さんには、妻の裏切りは寝耳に水だったことだろう。それも相当長い間、妻の秘密を感じることも無く過ごしていたのだから。
謎の「男」の正体を知る為に美智子の疎遠になっていた姉の元へ行き、手がかりを探るも厄介な顔をされてしまいます。美智子がいかに家族との仲が上手くいっていなかったことを痛感してしまう三郎さん。それでも、姉から「男」の情報を少なからず聞く事が出来、
ようやく男の正体を知ることとなります。

70を過ぎた三郎さんには、突然起こった、悪夢のような出来事。
妻の裏切りは33年にもわたっていたと知り、ぼんやりとあぐらをかいて過ごしていた日々が、きっと間抜けに思えたかもしれません。
何も言わなくても、何もしなくても、自分の身の回りの世話をし続けていた妻としての存在。一人娘の全ての世話をし続けていた母親としての存在。
しかし、その裏で美智子は一人の「女」としての顔を持っていた事を、人生の終盤に差し掛かった今になって、知ることとなるなんて…。
ほんと「なん・なんだ」今までなんだったんだよ!と言う気持ちになりますよね。お気の毒としか言えません。
この作品を観たら感じると思いますが、三郎さんみたいな感じの男性は結構いると思うんです。
ふんぞり返って何もしない、「仕事してりゃいいだろ!」とえばり腐った旦那さんに、諦めの境地で過ごしている美智子さんみたいな女性も沢山いるでしょう。その辺、私もちょっと共感する部分あります😅
しかしながら、長年にわたって家族に秘密を隠しながら、他の男性との「愛」を続けていくエネルギーには驚きでした。いくらなんでも、そんな長い月日、嘘をつき続ける事は、私には無理かな( ̄▽ ̄;)
この作品は夫婦の在り方について深く掘り下げられた内容になっていますが、周りの人物達の情報が色々と多くて、気が散ってしまう所もありましたけど、(不倫相手の男性が声帯を失ってるとか、娘の夫役にジョナサンじゃん‼️とか、その娘がリーマンと不倫してるとかとか…)
「夫婦たれど、相手を思いやる気持ちは態度で示さないと、拗れたら取り返しがつかないほど、心が離れてしまうよ、お父さん」とついつい女性目線で思ってしまいました。
ラストがね〜ん〜。やっぱりちょっと三郎さんの事を思うと複雑でした。
まぁ色々と考えさせられる映画でしたね。
鑑賞しているうちに、この歌がポーンと思い出されました。

男と女の間には
深くて暗い 川がある
誰も渡れぬ 川なれど
エンヤコラ 今夜も 舟を出す
Row and Row
Row and Row
振り返るな Row Row

いや…たまには生活振り返って見てね😅
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