2022年のアメリカ映画。『ブリッジ・オブ・スパイ』のマーク・ライランス主演作。
渋味のある上質な作品性。小さな仕立て屋のみで話が展開するにも関わらず、それに全く飽きさせない。マーク・ライランスの演技が特に素晴らしく、裁断師という役柄の渋みに溢れていた。彼の演技ありきの作品性と言っても過言ではない。静かな会話劇の中にもスリリングな緊張感があり、そこに釘付けになる。最後の方は展開も大きく動くが、むしろそれが余計だと感じるほど。アクション要素は無くてもよかったんじゃないかな。
ヒロインとして作品に花を添えるのは、『ゾンビランド:ダブルタップ』のゾーイ・ドゥイッチ。『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 』から続けて観たら、めちゃくちゃ大人の女性になってて驚いた。声の高さが気になるし、この作品にはちょっとミスマッチだったようにも感じた。可愛いから嫌いじゃないけどね。『メイズ・ランナー』シリーズのディラン・オブライエン、『ブルックリンの恋人たち』のジョニー・フリンという個性的な役者を脇に配置しているのも良い。マーク・ライランスと、彼らとの化学反応を見るのも本作の楽しさであった。
評価の高さも頷ける上質な作品。マーク・ライランスの高い演技力に酔いしれた。
