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アナライズ・ミーのろのレビュー・感想・評価

アナライズ・ミー(1999年製作の映画)
5.0

「人生は短いんですよ、アッというまの人生なんです」

3週間に8回もの発作に襲われたマフィア、ポール・ヴィッティ。
レントゲンでも異常は見つからず、医師はパニック障害(不安神経症)だろうと告げる。
そこで精神分析医のベンを訪ねるが、ベンはマフィアと関わりたくなくて・・・

5分間のセラピーを受けただけでもう病気は治ったんだと思いたがるポール。
こんな短時間で治せるなんてさすが名医だと褒めちぎる彼に、ストレスを甘く見たらだめだとベンは諭す。
組同士の抗争や友人の死だけでなく、父親との関係が鍵になっていると考えたベンはポールから話を聞き出そうとするが・・・

「マフィアの俺がパニくるように見えるか?このヤブ医者め!」
患者自身が抱く不安障害への偏見から始まり、FBIの捜査や神出鬼没の殺し屋など、療養とはほど遠い環境の中で慌ただしく進むセラピー。
ポールがようやく幼少期の悲しみや罪悪感と向き合えた夜の波止場で、唐突に繰り広げられる銃撃戦、それでも泣き止まないポールに「この場合は悲しみを怒りに変えていいから!さぁ撃つんだ、バンバン!」と必死なベンがかわいくておかしくてたまらない。

2度も中断される結婚式、そのお詫びに贈られるイタリアンな噴水。そして代理としてマフィアの会合に出席することになってしまったベンのトホホ顔からの強烈平手打ちがなんとも清々しい。

襲撃の勢いでオレンジが花火みたいに転がる、ゴッドファーザーのオマージュと不安障害あるあるを同時に楽しめちゃう一本。デニーロとビリークリスタルがとにかくかわいかったです。
ろ