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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのRのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

単なるマルチバースを飛び回り世界を救う!という話ではなく、切っても切り離せない親子の絆と負の連鎖を修復するストーリーであった。
最初の方はマルチバースを行ったり来たりするので頭がごっちゃになってしまったが、段々とジャンプやその仕組みを理解することができる。
それにしてもいくつもの世界が絡み合うのはとても複雑で、これを構想し映像化する技術に脱帽である…。
マルチバースに飛ぶことで獲得した特技で敵を倒す様はとても面白くアクションも派手なので惹きつけられた。
特に印象的なのは、父親に娘のガールフレンドを紹介するシーン。
様々な世界の自分を通して、諦めたり挫折する自分を受け入れたエブリンが父親に向かってとても強い眼差しで力強く話す姿がシンプルに言って格好良かった。
その後の娘の別々の道を進もうと涙ながらに訴えるところもグッとくる。
母親とは絶対的な人物で、愛している存在なのにどうしても拒絶したくなる面も持つ不思議な存在である。
ブラックホールのようなベーグルが、祖父から母、母から娘へ続く黒い負のループのように見えてきて、吸い込まれたジョイが再び帰ってこられた姿が、その悪循環をやっと断ち切れたように感じた。
映像が見応えしかないので、エンドロール後は正直疲労感もあったが、観終わった後はなんだか心がじんわり暖かくなった。
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