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レディ・バードのRのネタバレレビュー・内容・結末

レディ・バード(2017年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

なんていうか。親とこんなに喧嘩っぽくなる家庭はもしかしたら自分だけなのかもしれないと落ち込んだ思春期時代を癒せるような映画。
世界的な大きな事件は起こらないけれど、思春期にとっては大事件がいくつも起こる。
わかるわかると共感の連続。
喧嘩ばかりで母親に嫌われているのであろうと思い込み、家族の中からなんとなく孤立した気分にさえなったあの頃。
その時代は抜け出したくて堪らないが、親と離れて、地元を離れて、ようやくその魅力やありがたさに気が付くことは非常によくあることである。
かといって、戻れば戻るで、飛び出したい!という気持ちが出てくることもあるけれど(笑)
ともかく、目に見えて愛情たっぷりでみんな仲良し!だけが家族の在り方でなく、喧嘩ばかりで顔を合わせばつい余計な一言を言ってしまうが、心の芯では大切に思っている姿がとてもリアルだった。
人生にとって重要なことを経験しつつも想像とのギャップに落胆したり、頑張って違うグループと付き合おうとするがやっぱり気心知れた友達に戻ったり。
外でとってもいい気分で帰っても、帰宅後速攻親と喧嘩するのも本当にリアル。
お父さんが優しく包んでくれる人柄であることが最高の設定。
愛情と注意を払うことが同義って、本当にそうだなぁ…としみじみ思った。
中絶関連の講義で女性に衝撃的な一言を放つ主人公にはかなり驚いた。
まぁ言ってることはわからなくもないけれど…。
若さゆえに思ったことはすぐ言葉に出したり相手を慮ることなく発言するレディバードには、おそらく現実にいたら仲良くはなれないかもしれないけど、作品として接するのは、めちゃくちゃ面白かった。
ついつい吹き出すシーンもいくつかあって、笑わせてもらいました。
ラストで、自分の名前をしっかり名乗るところ、イタイ思春期の終わりでもあろうが、故郷を離れその故郷を懐かしく思う今、親から貰った大切な名前で堂々と生きていくという決心が見られたようですごく良かった。
あと、ジュリーがいい子すぎる。あんな親友欲しい。
そしてティモシーシャラメが抜群すぎる。
毎度思うがあの魅力的な瞳と脱力した色気が最高すぎる。
クズじゃんって思うところもあるが、周りとは何か違うみたいな雰囲気とか何もかも最高だった。
勝手に、青春映画とは思わず観始めたので、予想とはかなり違っていたが、どこか懐かしい気持ちになれる作品でした。
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