西村大樹

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスの西村大樹のレビュー・感想・評価

5.0
快作!
A24作品は、初期の頃は大変面白くみていた。それがいつ頃からか自分の好みの作品とは違う方向へと向かっている感じがして、観には行くが落胆することの方が多くなっていた。
本作は、仕事の都合上映画館で観ることが出来ず配信で観たのであるが、間違いなく映画の暗いスクリーンで対峙しながらじっくりと見てほしい作品である。
マルチエンディングのゲームのように入り組んだ物語。もしかしたら、存在したかもしれない現実。今も書いたとおり、このゲーム的ともいえる構造は、世代によってはトッときにくいかもしれない(事実、そういう感じの評もあった)そのため、世代を選ぶ映画であるのかもしれない。
本来ならばそこでマイナススコアを付けたくなるが、その無数にあったであろう未来と今生きる現実とを対比させたとき、生きるという意味が見えてくるのだ。
明るいアクションコメディーと捉えられがちだが、根底にはA24の魂が息づいている。
痛快で考えさせられる1本。
西村大樹

西村大樹