西村大樹

哀れなるものたちの西村大樹のレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
5.0
周りの友人達が、推薦するので観に行った。元から監督の作品が好きであり、実には行くつもりではあったが、無理矢理早めて観に行ってきた。
出だしからモノクロ広角レンズ、おとぎ話のような演出が続き、それが次第に物語りれのテーマへと流れていく演出は見事である。
そのテーマもかなりダークなものがあるのだが、所々に入るブラックユーモアが効いていて、映画館から笑いも起きていた。
一部では『バービー』と比較されるところもあるが、確かに『バービー』は本作と比べると甘い甘い映画にしか見えない。

そして、観て数日後に思うことは、本作の監督が男であるということである。
確かに、素晴らしい女性の社会的独立を描いた映画であることには違いないが、それが男性監督が描いたということになると、男性側から観た(観客である自分も含め)フェミニズム映画であり、男性の幻想が含まれているのでないのか?と思い始めてきて……考えてしまう。

それであっても、映画史に残る女性映画であることには違いない。
西村大樹

西村大樹