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テオレマ 4Kスキャン版のeop421のネタバレレビュー・内容・結末

テオレマ 4Kスキャン版(1968年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

一人の青年が来たことりより家庭が崩壊して
いくお話。
家族全員と家政婦まで彼に魅了され身体を委ねて
行く様は不思議な感覚を覚えました。よくある
誘惑という感じではないのです。下心とはまったく
違い『よしよし』とでも言うように優しく包みこむ
とでも言ったらいいのかしら。
あの感じを出せたテレンス・スタンプの演技力に
驚きました。そしてシルヴァーナ・マンガーノの
美しさも堪能。

家政婦のエミリアは聖人のように人を癒し、宙に
浮き、息子はジャクソン・ポロックのような抽象画
を描き始め、娘は頭がおかしくなり精神病院送りに
なり、妻は何人もの男と行きずりの関係を求め、
旦那は地位や財産を捨て、駅で真っ裸になり放浪
する…。

家庭を崩壊させた天使のようなあの男は悪魔だった
のか?とも思うのですがそんな印象は不思議と受け
なかったのです。
最後のエミリアが生きながらが地中に埋められる
シーンは言葉ではうまく表せないのですが、地に
返される喜びとでもいうような印象。
土をかけていたのはパゾリーニのお母様です。
『奇跡の丘』でも出演してらしたのでパゾリーニ
の母親への思いの強さも改めて感じました。
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