hamawwo

すずめの戸締まりのhamawwoのレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
2.5
すずめの戸締まり。図らずも追悼映画。どうしてもテーマのせいで、誰のための映画なんだろうとずっと考えてしまう。また新海作品となると、どうしても君の名はと比較してしまう。売れすぎると損かね。日本人としては絶対的なテーマを扱っており、正直私にはちょっとモヤモヤする映画かなと思いました。

**********

ブラックパンサーに続いて見たので当たり前だが、予告編がほぼ一緒だった。
IMAXに求めるのは何よりも音。特に今回はアニメなのでなおさら。

映像美は流石の新海誠作品ね。空、木々や葉、空気といった自然や、街並み、ビルなどの建物、食事といった生活の描き方が綺麗。3Dはどうした?とは思った。
ずーっと松村北斗氏、イケボねー。
なんで椅子なのかねー1本ないのかねーきっと意味があるんでしょうねー。

最後10分のための、残り110分。
すずめの一目惚れ的なところから、イマイチ腑に落ちず、みみずもなんとも…まぁ地中ってのでわからんでもないけどもって感じ。
序盤の熊本や地震速報から、きっと最後は東北だなと思ってからは、答え合わせ、仮説検証の時間になりました。神戸(阪神大震災)やら東京(関東大震災)やら。日本の古き良きを旅した気分にはなれるかね。温泉街は千と千尋感もある。
地震をテーマにすると3.11が当然出てくるし、外国人には刺さるのかな。
正直、これを映画で扱うのは「忘れないで」的な意味があると推測するが、ちょっと言葉が見つからない、モヤモヤする気持ちがあります。
「行ってきます」の、日常から非日常を感じる切なさ。
良いとか悪いとかではなく、残しておく記憶って感じでしょうか。当時から数年経った東北を訪れ、事後の姿を見たからか、映像作品として残しておくことの意味を考えます。アニメという非現実作品なのに、あまりに現実的すぎるが故の矛盾を感じてしまうからでしょうか。アニメという特性上、どうしても没入より鑑賞になってしまうからでしょうか。イマイチ整理がつかないですね。
私はきっと当事者でありながら、どこか他人事に感じているからで、相当な想いがある人が作る作品をみると、なんとも言えない気持ちになります。

君の名は、の方が好きだなと思いました。

**********

行ってきます。
hamawwo

hamawwo