「生きることなく人生を終えたくない」
年に数度ある感覚
鑑賞後に出来るだけ長く余韻を味わいたい
湧き上がった感情に少しでも長く浸りたい
まさにそんな映画だった
黒澤明監督のオリジナルは残念ながら未鑑賞だけど、きっとそちらも素晴らしいのだろう
ブランコを漕ぐ有名なシーンだけは知っていたが、こんな風に繋がって行き着くとは知らなかった
自らのルーツの民謡を歌いながら、嬉しさが身体中からほとばしるような姿
途中で歌唱を止めた時と比べ、"生きる"という実感をたしかに持っている
人生で一番幸せということは、もう思い残すことはないということ
自分に課したタスクを達成して噛み締めたあの瞬間
彼は"ゾンビ"から"紳士"へなりきれたのだと思う
手本を示したその先
悲しいかな、人間の決意はひとときのこと
怠け心にサボり癖、変に力を抜いて
「支障はない」と後回しにする
"単調な毎日に心は麻痺"して決意・情熱の火は消え失せる
避けられないのであればもう一度思い出せば良い
過去の成功体験を
意欲に富んだあの頃を
あの満足感を
それが生きること
素晴らしい映画と出会えた
もし自分がこの先
死んだように空虚に生きていると感じれば
この作品を見返せば良い
そうすれば思い出すはず
"生きる"実感とその充足感を