サム・メンデス（監督）×ロジャー・ディーキンス（撮影）で「1917」コンビで、主演がオリヴィア・コールマンなので、早々にチェックはしてたけど、何しろ前評判があまりよろしくなくて、スルーしようか迷った。結局、お話全体的には微妙だけど、ロジャー・ディーキンスの画作りが素晴らしいみたいな感想を読んで観ることに。
観てみると、正にそんな感じで、ストーリーは一応山場はあるものの、全体的にあまり抑揚がなくてちょっと退屈かなあ。時々眠くなった。
ざっくり解釈は、80年代のイギリスの映画館が舞台になっていて、たとえ現実が暗くとも、映画（映画館）は別の世界に連れて行ってくれる光だ。彼にとって彼女が、彼女にとって彼がその光だったという話だと思う。
だけれども、あの若者がオリヴィア・コールマンに惹かれるのもあまり説得力なかった気がする。
映像的には自然光で撮影がんばったと言っていて美しかったし、打ち上げ花火のシーンは白眉。
舞台になった映画館はイギリスのマーゲイトという静かな海辺の町に実在する元映画館でダンスホールらしい。ここを見つけた時点で結構優勝だと思う。機会があればぜひ行ってみたいけど、素敵なロビーは別の場所にセットで作ったそうなので、行って中に入れたとて映画のような感じは味わえないね。
