観てから数日ずっと頭に残る素晴らしい映画体験。
大胆かつ格調高い構図と、極上のホラーのような音響の上で、そのカリスマ性を炸裂させるケイト・ブランシェットに圧倒され続ける2時間半。
こんなんケイト様じゃなきゃ無理だわ。実力で頂上に登り詰めた者としての説得力が半端じゃない。長回しで見せる講義の場面は息も詰まるような緊張感だった。
長いオープニングクレジットのバックで流れるのは、公開インタビューのシーンでも触れられる民族音楽の歌だろうか。
神が降りてきた時だけ歌われる、みたいな話だった気がする。(うろ覚え)
半ば強制的にクレジットを見せると同時に、権力者よりも彼ら裏方制作陣の方が神に近い存在だというメッセージがあるのかも。
ラストは驚いたけど、実家で自身の原点を確認する場面からの流れもあって、とても希望が持てる終わり方だと思った。
サイコスリラーであり、キャンセル・カルチャー全盛の現代に問いを投げかける社会派ドラマでもある。面白かった。
