こんなにクオリティ高い実写化ある？
原作が好きなので映画化が発表された時はどうなるもんかとヒヤヒヤしていたけど、蓋を開けてみればここまでやってくれるの！？という驚きの連続。
隅々から伝わる原作への愛情と、アイヌ文化へのリスペクト。舞台も小道具もしっかり作り込んであり、作り物感は無い。二十八糎砲までわざわざ作って再現した２０３高地の場面も見事で、冒頭から気合を感じて引き込まれた。真冬の北海道の雄大なロケーションも素晴らしい。撮影はさぞ大変だったんだろうな…川とかめちゃくちゃ寒そう。
何よりキャストが良い。
鶴見中尉は見た目といい声といい仕草といい、もう玉木宏しか考えられないくらいのハマりっぷり。なんだあの怖さとカリスマ性。ターミネーター走りまで再現してくれるの最高すぎる。
そして主演の杉元。観る前はまた山崎健人か～と思ってたけど、ちゃんと杉元だった。アシリパやフチと話しているときの目がいい。アクションも流石の身のこなし。
あとは二階堂も良かったな。さらに言うと原作でも出番の少ないキャラまで抜かりなく、玉井伍長なんて感動してしまうレベル。「もういい撃とう撃とう」はニヤニヤしながら聞いた。
あくまで原作に忠実なのでストーリー上の驚きは無いけど、ちょっとした改変がまた良かったりする。
チタタプ言いながら叩くことはアイヌの風習じゃなくオリジナルだと訂正？しているような細かな部分から、クライマックスとして犬ぞりバトルの追加まで。
熊の巣穴からの長回しは、映画らしい演出に加えてグロ描写を抑える効果もあって上手いなと思う。
そんな感じで想像以上に満足感があった。続編も大いに期待。
ちなみに原作では菊田さんが好きなんだけど、このペースだと登場はいつになるやら…笑
