Kogarath

落下の解剖学のKogarathのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
4.1
法廷劇の形式を借りた濃厚な人間ドラマ。
不審死をめぐるサスペンスを観ていたはずが、いつのまにか「マリッジストーリー」ばりの離婚調停劇を観ているような気分になってくる。喧嘩の録音を法定で再生される場面の居心地悪さ!笑

ほぼ家と法廷の場面しか無いのに引き込まれて退屈しないのは脚本の巧さか。それこそ解剖されるように少しずつ明らかになる家族内情と、変わっていく人物の印象。重圧かかりすぎで可哀想だと思ってた息子でさえ、サイコパスな行動をとらせて観客をドン引きさせる。誰にも肩入れできないような冷徹な作りがかえって平等に思えて、あなたが陪審員ならどう判断しますか?と問われているようだった。

息子に寄り添う優しいお姉さん役がSavagesのジェニー・ベスなのは全く気付かなかった!
ライブではすごい気迫だったから、イメージが全然違う。役者だなあ。
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