Ginny

レヴェナント:蘇えりし者のGinnyのネタバレレビュー・内容・結末

レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ちょうど一年前WOWOWで録画したやつを今更鑑賞。
実写ゴールデンカムイの制作にあたって参考にしたらしく、見るか、と重い腰をあげた。

凄い。
圧倒的な大自然の描写と容赦ない残酷表現。
ちょうど先日2回目の実写ゴールデンカムイを鑑賞したところで、2回目ともなるとロケとスタジオの撮影の差がわかったり、動物のCGも見慣れて初見の感動がないなぁと本当に申し訳ないですが思ってしまっていた所の本作の鑑賞だったので、本作の凄さがより実感できました。

恐ろしいシーンがいくつかあり、声を上げて怖がったり憤慨してしまったり、かなり映画にのめり込みました。
大自然の描写に魅了されるだけでなく、シンプルな復讐劇ではあるけど描き方が骨太(大自然を軽く描かないというか)なので見応えある。
ゴールデンカムイ履修したからこそわかる、魚の取り方、獣の解体、小屋、そして限界時の暖の取り方…。

実写ゴールデンカムイを見て邦画のレベルが上がってるとすごく嬉しくなったのですが、本作を見るとハリウッドやっぱりやばい。となった。
本作があったからゴカム実写も目指す方向性が掴めて良かったんじゃないかなとは思えた。

映画見終わった後はかなり満足で4.5くらいの気持ちだったのですが作品を調べたらまさかのグラスが実在の人物で驚き、なら終わり方(村に帰るまでやらない)も納得だな〜と思ってグラスの詳細を見ていたら、息子のこと書かれていないし残ったのはブリッジャーとフィッツパトリックの2人ということで…。
実際に復讐しようとしたみたいですが、詳細わからないし本作で私がムカついたのはフィッツジェラルドがホークを殺したことなのでその事実が実際無かったとしたらフィッツパトリックへの風評被害では?(いくら名前を変えたとしても)とモヤモヤしてしまってこの点数に落ち着きました。
自分の憶測でしかないのですが、ヒューグラスのこのエピソードを映画化するにあたり、より強いパンチが欲しくてホークの存在感、ホークとフィッツジェラルドのあのシーンが入ったのかなとは思うのですが、実在の人たちへのリスペクトとしてグラスだけにフォーカスしていないかとモヤモヤしてしまったのです。

大自然、熊の迫力の描き方はゴカムより凄いですが、登場人物それぞれへのリスペクト、何度見ても楽しめる良さで言えばゴカムの方が上と思いました。

意外に知ってる俳優さんがちょこちょこ出演されていたので見やすかったです。
大好きドムナルグリーソン。本当にななひかりとかではなく彼自身の魅力がある貴重な俳優さんだなと思います。
『なんちゃって家族』で印象的だったウィルポールターも本作でも良かった!元の顔と表情の作り方が個性的で良い。彼しか出せない味があると思う。
クレジットで気付きましたがトムハーディ流石すぎる。忘れ鼻じゃないけど、私の中でトムハーディは忘れ顔という感じがしていて…各映画でめちゃめちゃ印象的なキャラだけど役者本人の顔が記憶できなくて毎回映画で驚かされる。

本作で念願のアカデミー主演男優賞を取ったレオナルドディカプリオでしたが、演技?の捉え方次第というか。
黙ってる時の目の動きとか瀕死状態で復讐への執着から極寒の大自然を生き抜く体の演技は圧倒されましたが喋り始めると、あれ?ってなんか肩透かし感があって…ここもモヤってしまいました。
全身の演技はすごいんで、それこそ終盤の大盛り上がりのフィッツジェラルドとの戦闘シーンの気迫はお見事なのですが…。
嫌味言うと彼が受賞するにはここまで体張らなきゃ納得させられなかったのか?とは思ってしまった。
演技上手い人は、現代劇でも取っちゃいますからね。。と。。。。。
Ginny

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