事前に あらすじを読んだ時点では「失われたカメラの行方と伝説の登山家マロリーの真相に迫るミステリー」という受け止めだったのですが、実際に見た印象は…そんなもん「どうでもいい」と言いたくなるというか(苦笑)
そのカメラ以上に、羽生丈二という男に引き込まれていく物語でありました。
また そうした展開を支えたのが 映像のクオリティの高さであって。
人物造形、山々の自然の描き方、そして吹雪や雪崩の映像も、アニメだからこそできる表現の美しさであり求心力になっていたと思います。
ついでに言うなら、フランスアニメでありながらも、日本の街の描き方も違和感なかったし。
元々は伝説の登山家ジョージ・マロリーの存在があり、それに付随しての創作であって。
そこに登場するキャラクターは実在はしないのかもしれませんが。
登場人物が経験するような出来事はリアルだと思いますし。
極限状態で幻覚が見えてしまったり、そうした状況に陥ることも含めてですが。
そして何より彼らが山に向かうモチベーションや情熱。「なんでそんな危険な場所に…一銭の得にもならんのに…」と、山に興味のない人からすると言いたくなるような辺りでしょうが。
そうした思いは伝わってきました。それはシンプルに凄いことだと思います。
思ってた以上の見応えがありました。
当初タイトルが読めなかったんだけど「手を合わせて、山嶺ま~す!!」って覚えとこ。