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評決のほーりーのレビュー・感想・評価

評決(1982年製作の映画)
3.7
法廷映画です。ポール・ニューマン主演、シドニー・ルメット監督の「評決」。

ルメット監督らしいリアルで淡々としたタッチの作品であります。

主人公像も真面目で勇敢なヒーローではなく、旗色が悪くなると不安を隠せないでいる等身大の人間として描かれている。

エリート街道から転落した弁護士(ニューマン)が再起をかけて挑んだ医療ミス裁判。

麻酔をかけた妊婦の容態が急変して植物状態に。相手側の病院はカトリック教会が運営しており、病院側も世間の体裁を考えて示談を申し込む。

当初はそれに応じるつもりだったニューマンは被害者の女性の姿を見るにつけ、失われた正義感が再び芽生える。

ついに病院に対して裁判を起こすのだが、病院側も凄腕の弁護士を雇うのだった。

70年代は「タワーリング・インフェルノ」での体を張ったアクションなどでまだまだ若々しかったニューマンもこの頃はもう既に57才。

肌は相変わらずシワも少ないけど髪の色もすっかり白くなってきた。

脇役には「十二人の怒れる男」のジャック・ウォーデンやエドワード・ビンスも出ているがこっちは完全にお爺ちゃんという風貌なので、時の流れの早さを感じる。

というかこの映画、私の生まれる四年前も作品なのだが、「十二人の~」ばっか観てるから自分の中で時代がこんがらがってる。

病院が雇った法曹界の大物をジェームズ・メイソンが演じてる。

ソフトな物腰なのだが勝つためには手段を選ばない人物で、こういうしたたかな役は本当にこの人にピッタリだと思う。

あと印象的なのは主人公と恋仲になる助手のシャーロット・ランプリング。まさにクール・ビューティー!

■映画 DATA==========================
監督:シドニー・ルメット
脚本:デヴィッド・マメット
製作:デイヴィッド・ブラウン/リチャード・D・ザナック
音楽:ジョニー・マンデル
撮影:アンジェイ・バートコウィアク
公開:1982年12月8日(米)/1983年3月19日(日)
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