ほーりーさんの映画レビュー・感想・評価

ほーりー

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映画(849)
ドラマ(1)

私は二歳(1962年製作の映画)

4.3

【市川崑特集⑦ 私は青二才】

たーちゃん(太郎)役の子役がとっても愛想よくて、笑顔を見ていると思わず心が和んでしまう。

1960年の『おとうと』と並びキネ旬ベストテンの第一位に輝いた本作は、タイト
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ぼんち(1960年製作の映画)

4.3

【市川崑特集⑥ 戦場(せんじょう)から船場(せんば)へ】

また長らく更新が空いてしまった。ちょっと来年あたり個人的に大きなイベントがあるので色々と準備に手こずっておりました。

という訳で久しぶりの
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野火(1959年製作の映画)

4.0

【市川崑特集⑤ 腹が減っても戦をさせられる】

『比島決戦の歌』というのがある。軍部によって「いざこいニミッツ!マッカーサー!」と歌詞を改変されたが、当初の詞ではこの部分が「レイテは地獄の三丁目」だっ
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炎上(1958年製作の映画)

4.2

【市川崑特集④ なぜ彼は憧れだった寺に火をつけたのか】

以前の更新からだいぶ間があいてしまった。仕事やプライベートも忙しかったのは確かだけど、この『炎上』という作品は何度も観ないとその心臓部に達する
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(1957年製作の映画)

3.8

【市川崑特集③ 勢いがあれば穴があっても飛び越えられる】

『穴』ってタイトルだとジャック・ベッケル監督の脱獄映画が有名だけど、自分が先に観たのはこの市川崑作品の方だった。

京マチ子主演の都会派ミス
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ビルマの竪琴 総集編(1956年製作の映画)

4.4

【市川崑特集② 音楽は非言語だからこそダイレクトに胸を打つ】

のちにセルフリメイクした『ビルマの竪琴』。こういっては何だが、市川崑作品は奇をてらわない作品の方が好きなのが多い。

1956年から19
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プーサン(1953年製作の映画)

3.9

【市川崑特集① 七十年経っても人間やってることは変わらない】

溝口、小津、成瀬と日本を代表する監督を連チャンで観てきたが、今回からは市川崑監督を集中的に。

特に脚本家である奥さん・和田夏十さんとコ
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赤い風車(1952年製作の映画)

3.6

『フレンチ・カンカン』でも舞台になった伝説のレビュー小屋「ムーラン・ルージュ(=赤い風車)」。

そこの踊り子をモデルにしたポスターを数多く手掛けた画家アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックの半生を描
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赤毛(1969年製作の映画)

3.9

痛快さと皮肉さがミックスされたような時代劇『赤毛』。『赤ひげ』ではありません『赤毛』です。

いかにも岡本喜八監督らしい一本だった。

官軍の一部隊である赤報隊は新政府が掲げる年貢半減を村々に喧伝し回
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理由なき反抗(1955年製作の映画)

3.8

はい、元祖おディーン様の映画です。

ジェームズ・ディーンの映画はすべて三本とも観ているのだが、今まで感想文を書くのにためらっていた。

というのも、おディーン様は芝居が臭い(笑)ので、昔からあまり好
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禁断の惑星(1956年製作の映画)

3.8

『プレデター』や『エイリアン』とか観てると、SF映画に出てくるモンスターの設定やデザインって難しいなぁと思う。

大体はグロテスクな方向に走るけど、その点、本作は怪物の発想がよく出来ていると思う。
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天使にラブ・ソングを…(1992年製作の映画)

4.0

『天使にラブ・ソングを…』は昔やたらめったら金曜ロードショー枠でやってたイメージがあるけど、Wikipediaみたら1996年以降からこの間の放送まで六回しかやってないそうな。

『天使にラブ・ソング
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乱れ雲(1967年製作の映画)

3.9

成瀬作品もここで一区切り。成瀬監督の遺作となり代表作でもある『乱れ雲』。

突如、官僚だった夫を交通事故で亡くした若妻と加害者である青年が次第に惹かれ合う様を描いたメロドラマ。

1967年製作の本作
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乱れる(1964年製作の映画)

4.3

これを最初に観た時はショックだった。同じ成瀬巳喜男監督の『浮雲』や『流れる』を観た時も印象に強く残りはしたが、ショックというレベルではなかった。
 
『乱れる』は新興のスーパーマーケットによって揺れ動
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トータル・リコール(1990年製作の映画)

3.9

本日5月14日金曜日は昼間にテレ東で『トータル・リコール』やって、夜に金曜ロードshowで『天使にラブ・ソングを』がやっていた。

いずれも20年以上前のテレビのロードショーを彷彿させるようなラインナ
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女が階段を上る時(1960年製作の映画)

3.6

凄いよね、高峰秀子って。衣装考証もやっちゃうんだから。

銀座のホステスたち(ちなみにホステスという言葉が定着したのは1962年以降。それまでは女給と呼ばれていました)の悲哀を描いた成瀬作品。ホステス
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驟雨(1956年製作の映画)

3.8

『驟雨』はどちらかと言うと軽めの作品で、倦怠期の夫婦によるやり取りをコミカルなスケッチ風に描いた作品。

『山の音』とか『浮雲』を観たあとだとちょっとホッとさせられる。

原作は岸田國士の短編戯曲で、
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山の音(1954年製作の映画)

3.6

『山の音』は川端康成の戦後の日本文学の最高峰と言われた小説。成瀬巳喜男監督によって映画化された本作も日本映画の最高峰……と言われるかはちと微妙な気がする。

本作も良い映画だと思うけどやっぱり『浮雲』
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稲妻(1952年製作の映画)

3.8

夏場になると時々、遠くの方で音のしない稲妻を見ることがある。ゴロゴロ音がしない分、見ていて不思議な感じがする。

『稲妻』は大映で高峰秀子主演で作った成瀬巳喜男監督の作品。原作は林芙美子。

溝口健二
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80日間世界一周(1956年製作の映画)

3.6

『八十日間世界一周』と言えば、すぐヴィクター・ヤングのスコアにのせて気球が悠々と大空を舞う美しいシーンが思い起こされる。

しかしジュール・ヴェルヌの原作にはこの気球が登場しない。この映画のオリジナル
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花嫁の父(1950年製作の映画)

3.9

本作の初公開時のポスターには以下のような宣伝文句が書かれている。

「結婚とは… 娘を有頂天にし 母親を買物の鬼と化し 父親をして金を吐き出すロボットと化すものなり」

見事に本作の内容を捉えた謳い文
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ピンクの豹(1963年製作の映画)

3.8

小さい頃はテレ東で『ピンク・パンサー』のアニメはやっていたし、『ドリフ大爆笑』の公開コントでもピンク・パンサーのテーマが流れていたので普段から馴染みがあった。

二十年近く前に深夜でピンク・パンサーシ
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荒野の七人(1960年製作の映画)

3.7

『七人の侍』を観て感激したユル・ブリンナーが早速アメリカでリメイクした『荒野の七人』。

相当オマージュを捧げているせいか、メインストーリーや登場人物の設定のみならず、台詞や細かいディテールまで再現が
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太陽がいっぱい(1960年製作の映画)

3.8

アニメの『クレヨンしんちゃん』に『野菜がいっぱいだゾ』という傑作エピソードがある。

野菜嫌いのしんのすけが自分の家の冷蔵庫にある野菜を全部処分するという完全犯罪を目論むが最後に露見して破滅してしまう
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恐怖の岬/ケープ・フィアー(1962年製作の映画)

3.8

中学生の頃、借りていたビデオ(CICビクター)の巻末の他作品紹介でやたら『恐怖の岬』の予告編が入っていた。

今思い返せば、グレゴリー・ペックとロバート・ミッチャムの名前を初めて覚えたのはこれだったか
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切腹(1962年製作の映画)

4.5

物語には感情に訴えかけるものと、一方では理屈で責めてくるものがあると思う。

小林正樹監督、橋本忍脚本による時代劇『切腹』は前者でもあり尚且つ後者でもあるという稀有な作品だと思う。

キネ旬ベストテン
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ブルックリン横丁(1945年製作の映画)

3.6

『ブルックリン横町(のちに横丁に改題)』は、エリア・カザン監督の記念すべき長編デビュー作にあたる。

下町ブルックリンに住む貧しいアイルランド移民一家の姿を描いたドラマである。

文才のある女の子が中
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怪獣ゴルゴ(1959年製作の映画)

3.9

日活の『大巨獣ガッパ』の元ネタとなったことでも知られるイギリス製特撮映画『怪獣ゴルゴ』。

海外では珍しい着ぐるみの怪獣が登場する作品である。

アイルランド沖で作業中のサルベージ船のすぐ近くで突如海
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チャップリンの殺人狂時代(1947年製作の映画)

4.3

先日、母親と一緒にBSでやっていた『チャップリンの殺人狂時代』を観たら、思わず背筋がゾーとした。

コロナウィルスで世界が混沌としている現代と本作の舞台となった1930年代がとてもよく似ていると感じた
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秋日和(1960年製作の映画)

4.1

これにて一旦は個人的小津作品特集も一区切り。締め括りは『彼岸花』同様に里見弴原作である『秋日和』をチョイス。

それにしても、本作は北竜二がやたら可笑しい。後半なんか顔が出てくるたびに噴き出してしまっ
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浮草(1959年製作の映画)

4.2

かつて戦前に松竹蒲田で撮影した『浮草物語』を小津監督が古巣松竹を離れた大映でセルフリメイクした作品。

小津監督お馴染みの中産階級の家族ドラマと違って旅役者たちの人間模様を描いており、キャストもスタッ
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彼岸花(1958年製作の映画)

4.2

小津映画ってほとんどが家族がテーマだし、セットも設定も似ているし、一見すると同じ映画のように見える。

特に本作や『秋日和』『秋刀魚の味』と立て続けに観るとデジャヴを感じるというか、どれがどの作品だっ
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東京暮色(1957年製作の映画)

3.7

実にその、まあなんと申しましょうか。やはり振り返ってみますと数ある小津監督の映画の中でも稀にみる暗い作品と申しましょうか、はたまた毛色の違う作品と申しましょうか。いや、まったく驚きましたねぇ。

と、
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お茶漬の味(1952年製作の映画)

3.7

戦前、小津が中国戦線から帰還後に製作しようとした『彼氏南京に行く』が検閲を通らず、なくなく映画化を断念したシナリオを改訂して製作したのがこの『お茶漬の味』。

ちなみに検閲で問題視された描写のひとつが
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父ありき(1942年製作の映画)

3.7

『父ありき』は『一人息子』の男親バージョンで、古き良き時代の親子像を描いた作品。

なお個人的には本作の内容が直球である分、少し捻った『一人息子』の方が好きだが、いずれも小津監督の実体験が色濃く反映さ
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戸田家の兄妹(1941年製作の映画)

3.7

昨日よりエアロバイクを買いまして、このコロナ禍でなるべく外出しないように、自転車こぎながらDVD観てます。

さて勝手に小津映画特集。続いては『戸田家の兄妹』。戦前の松竹オールスター出演映画でもある。
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