ほーりー

アパッチ砦のほーりーのレビュー・感想・評価

アパッチ砦(1948年製作の映画)
4.0
【光るフォンダの名演、それを受けるデュークの好演】

久しぶりにゆっくり映画を観る時間ができたので、ジョン・フォードの『アパッチ砦』を観た。

フォード監督の作品のなかでは、上位からちょい下のランクにされがちな作品だけど、じっくり鑑賞できて、久々に心が豊かになる感じを受けた。

騎兵隊もの三部作の第一作である本作品、とはいえ、日本公開は『黄色いリボン』『リオ・グランデの砦』の後だったりする。

厳格で神経質な司令官をヘンリー・フォンダが演じ、一方、ジョン・ウェインは大尉としてフォンダの補佐役をつとめている。

ウェインはワンマン的なリーダー役ではなく、時には軍律に従って上官を立て、時には自分の意見も率直にぶつける、いわば理想的な中間管理職の役柄を好演している。

また、フォンダの年頃の娘役であるシャーリー・テンプルと、年若ながら優秀な軍人であるジョン・エイガーのロマンスも見所。(実際、二人は当時夫婦だったそうな)

その他、アクションも良い。『駅馬車』を彷彿させるような、先住民からの攻撃から馬車が猛スピードで逃れる中盤のシーンや、最後の騎兵隊の突撃シーンの迫力なんか流石はジョン・フォード。

決してハッピーエンドではないのだが、劇中描かれる人間模様に、心があたたかくなった。

そしてラストは具体的には書かないが、のちの『リバティ・バランスを射った男』を彷彿させるようで、なるほど、この作品と繋がっているのかと感心させられた。

■映画 DATA==========================
監督:ジョン・フォード
脚本:ジェームズ・ワーナー・ベラ、フランク・S・ニュージェント
製作:メリアン・C・クーパー、ジョン・フォード
音楽:リチャード・ヘイグマン
撮影:アーチー・スタウト
公開:1948年3月9日(米)/1953年1月15日(日)
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