スカポンタンバイク

劇場版TOKYO MER 走る緊急救命室のスカポンタンバイクのレビュー・感想・評価

3.3
これは、凄い。
ドラマ未視聴なのだが、当時劇場で予告が衝撃的でずっと気になっていて、今回ようやく観た。
こんな体育会系の医療映画を初めて観た。

とにかく凄い所を挙げるとキリがないのだが、まずはなんといっても医師たちの医師とは思えない身体能力だろう。今回の舞台であるランドマークタワーの火災で70階に閉じ込められた被災者を助けるべく、鈴木亮平は階段を使って70階まで登ってしまうのだ。これについては「まだ」、身体を日々鍛えてるという事で納得のしようもギリギリあるのだが、特に鍛えてない人たちも少し遅れて登り切ってしまうのだ。どういう医者なんだ。w
しかも、その後も鈴木亮平に関しては登ったり降りたりを繰り返す始末。そして、それを終えた後も、息を切らした様子もなく手術を開始するという。流石は鈴木亮平と関心すべきか呆れるべきか微妙な所だが。
次に凄いのは、問題の手術シーン。「待っているだけでは、救えない命がある」というのが今作のテーマなのだが、今作はそのために完備しているMER車すらほとんど使わず、現場に向かってその場で手術するのがほとんど。冒頭から凄くて、燃える飛行機の中に取り残された怪我人を救うべくTOKYO MERのメンバーが避難活動中に飛行機へ乗り込んで、今にも爆発せんとする飛行機の中でトリアージを始めて、肺に空気が溜まった子供の緊急手術を始める。「今にも爆発する危険があるんだから、避難させてからじゃあダメなのか!?」と思うわけだが、鈴木亮平の「そんな事をしてたら間に合わない!」というパワーワードで跳ね除けられてしまう。勿論、何故間に合わないのか、煙立ち込める機内の衛生問題がどうなってるのか、なんて事は最後まで分からない。観ている私としては、肺の子供が避難中に死ぬよりも、飛行機が爆発してTOKYO MERともども全員死ぬ可能性の方が高いように見えるのだが。これは、TOKYO MERのメンバーが脳筋で謎に身体能力に長けているが故の問題なんじゃないかなぁと思う。そのせいもあって、もう一つ重要なはずの消防隊員の存在感はめちゃくちゃ薄い。
そして、私が予告で衝撃を受けた帝王切開のシーン。まぁ、ここは結局「まぁそうだよねぇ」という感じなのだが、あの場で「夫だ」発言をされても、そんな仲里依紗は納得するのだろうか。鈴木亮平の話としては、家庭を顧みない医師が夫として妻と向き合うようになるという事なのだが、その前の時点で逃げるのは無理ってなったんだから、仲里依紗の意見は変わらないんじゃねえのかなぁと思ってしまった。勿論、あそこで切ってたら問題も問題なのだが、なんとなく助けが来る前提あり気の予告盛り上げのための要素だったのかなぁって気がしてしまった。そこにまんまと引っかかってしまったのかと思うと、複雑。

まぁ、何はともあれ、ツッコミ所を「ええ!!?」って言いながら観ることができるという点で楽しい映画ではありました。あと、鈴木亮平の俳優力が高過ぎるせいで、なんだかんだで観れてしまう。相変わらず、恐ろしい男だ。