面白くはあったんですが、良くも悪くも綺麗に整備され過ぎてる感じというか、お行儀の良さが逆に臭かった。「合理的判断」と「不幸に対する共感」はどちらも大切にされなければいけないというメッセージ自体は賛同したいものではあるが、映画全体がそのメッセージルール前提に構築されていて、尚且つ同時多発テロの悲惨さも、言葉を悪くすれば泣き落とし特化な遺族のインタビューしかでてこないため、メッセージが上滑りしてる感が否めない。それも相まって、後半のサインを断ってからの特別管理人の目標達成でアガる感じになってるのは、凄く民意に迎合した小手先の良さげな感じを見せられてる感じがして、両立の大切さはなんだかなーなーになってる感じがした。
今年観た「TILL」なんかは、基本的には法廷ものではあるものの、事件の陰惨さを決定的に見せるシーンが1箇所あった。そこがあるかないかで、キャラクターの話す言葉の重みは変わったんだろうなぁと思うと、色々もったいない感じがある映画だった。
