スカポンタンバイク

Saltburnのスカポンタンバイクのネタバレレビュー・内容・結末

Saltburn(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

※話を説明しようとすると、ネタバレを避けられないためネタバレ表示。

大変清々しい映画でした。

とにかく「聖なる鹿殺し」でバリーキヨガンが好きになった人には堪らないんじゃないかというくらい、バリーキヨガン炸裂な映画だった。クライマックスの全裸練り歩きシーンは、なんかもう「やったぁぁーー!」って感じ。

話としては、ザックリ言えば「ジョジョ第一部でディオのジョースター家乗っ取りが成功していたら?」みたいな感じだなぁと思って観ていた。
違うポイントとしてはジョジョだとディオの策略が最初から分かった状態で話が進むのだが、Saltburnはキヨガンの真意がクライマックスまで分かりづらいため、どこまでが本音でどこまでが乗っ取りのための策略なのかが分かりづらいのが面白い。つまり、観てる側はソルトバーンの貴族たち同様にキヨガンの策略に翻弄されながらの鑑賞になる。
ただ、キヨガンも完璧ではなく、途中で実家に行く羽目になった時の「うわー」感はもうゲラゲラ笑いながら観ていた。
色々紆余曲折はあったものの、キヨガンの策略が全て成功。真相がクライマックスで明かされてひっくり返る事になるわけだが、ここのネタバラシはしてやった感が強くあるため、筆者は清々しいひっくり返しとして楽しんだが、人によっては「いらないんじゃないか?」となるかもしれない。
「清々しい」というのを本作においては褒め言葉として使っているが、逆にそのネタバラシによって、結局の所はキヨガンが最初から計画してた乗っ取り作戦だったという一義的な物語になってしまい、そこに解釈の余地がなくなってはいるなぁとは思う。そこは清々しさを取ったが故の損失ではある。

ただ、ネタバラシまではある種の青春ロマンスとしても楽しいし、明らかに気持ちの悪い振る舞いのキヨガンを観てるだけで満足感が高い良い映画だなぁと思いました。是非、ご覧下さい。