生活音がBGM。際立つ音々はリズミカルで呼吸の音のように命を感じさせるが、これらが全て聴こえない世界に生きるケイコのお話。
聾者の辛さ大変さにフォーカスしない姿勢がこの作品の骨子と言える。ケイコの澄んだ目が写る度、私たちは忘れがちな尊さを思い出して噛み締める。
しかし、これは好みの話だが、私はダメなんだ…この手の邦画は…。
大きな波があるわけではないストーリーのなかで飽くことなく画面に集中させるテクニックは感じる。だからといってそのストーリーを私は是とはできない。
観る人それぞれに委ねる余白があること自体を否定はしないのだが、作品とはもっと観る者へのメッセージを語り掛けるべきと思ってしまう。行間を読み、空気を読み、なんとか解釈し咀嚼し愉しむ。というのが単に性に合わないというだけだが。
味の濃いハンバーガーに慣れ過ぎて薄味の出汁の味がわかんなくなってるのかも知れないけど、敢えて言おう、私はハンバーガームービーが好きだと🍔
