このレビューはネタバレを含みます
正直なところ、ゴジラ映画というジャンルを久しく敬遠していた。幼少期観たゴジラ映画は、ドラマパートが難しくて早くゴジラ出てこないかなーと待ち侘びている時間が長く…でもウルトラマン的なヒーローはいないから人類の科学総出でなんとか退けて。とスッキリとはしないほろ苦い印象だった。今思えばその大人たちの葛藤と科学の力を駆使する様がゴジラ映画の醍醐味で神格化されてるわけだけど。
本作も多分に漏れずそのフォーマットに則り、世界に認められたVFX技術で現代のゴジラを堪能できた。
その一方で、ツッコミ所の多さは最早山崎節の好き好みとしか言えないなーという正直な感想。私はちょっと苦手。というだけ。
ゴジラ造形は過去一かっこいいと思う！青い放射線の余波が走り、背びれがガコン！ガコン！ってせり上がる予兆、恐竜とも違う怪獣然とした強靭な足腰で地面を掴み平行姿勢から放たれる放射熱線。本作のそれは日本が世界に誇る芸術作品に押し上げたと信じて疑わない完璧なフォルムだった。日本の戦後復興を吹き飛ばす絶望的な光のはずなのに、青い放射熱線は完成されいて見惚れてしまうほどだった。
エンドロール後、地響きのような足音と雷のような咆哮で幕を閉じる時、映画館っていいよなぁ…と最高の余韻残してくれるところに愛を感じる。
