優しい歌、とサブタイトルをつけたくなる気持ちがわかる。あらゆる境遇で生きる若者たちの、あらゆる心情・葛藤を肯定する。
マレーシア・インド・中国、イギリス、多様な文化と家族を持った若者たちが交錯する中で生じる、微かな摩擦音。大人たちは皆その経験者であり、悲喜こもごも、さまざまな様相で彼らを見守る。
ホームビデオで撮影した発表会のような、舞台を見上げる定点的なカメラ。寄ったり引いたりといったカメラークらしいものはほとんど無いにも関わらず、タレンタイムを志す彼らの熱と素晴らしい楽曲が心を掴む。名曲揃いなのだが、それ以上に引き込まれる、何かしっかりと心掴まれて琴線に触れてくる不思議な魅力がある。だからこそのサブタイトルか、納得。
名演出というわけでもなくうまく言語化できないんだけど、大切にしたいと思わせる作品。
