耳が聞こえない元プロボクサー・小笠原恵子の自伝『負けないで!』を原案に、三宅唱が監督した映画作品。
正直なところ、全てを掴めたとは言えず、自分なりに想像や補完して余白を埋める作品(厳しめに言うと不親切)だったのかなというのが率直な感想ですが、それと同時に平坦でありながら集中して見ると細かい起伏がいくつもあって、人の機微に触れる(特に主人公の表情の変化)いい作品だったなという思いも強く残りました。
ケイコのシーンひとつひとつ(そういう風にしか見えない)に魅せられ、引き込まれ、何に対してかは分からないが、泣きそうになってしまう箇所もいくつか。
過去作のどれでも見た事のない岸井ゆきのさんの演技を堪能。
また、ジムのトレーナーを演じた松浦慎一郎・三浦誠己の両名が素晴らしい演技(重要なピース)だったので、そこも加点。
原案:小笠原恵子『負けないで!』
岸井ゆきのさん、日本アカデミー賞 最優秀主演女優賞受賞おめでとうございます。