このレビューはネタバレを含みます
「見返りを求める男と恩を仇で返す女」
※見返り=相手のしてくれたことにこたえて何かをすること。
強烈。このタイトルと吉田監督ということで、ただでは済まないのは覚悟しているし、どこでひっくり返るのかとちゃんと身構えてはいましたが、それでも予想していたよりしんどかったです。ほんとこの監督の作品は毎回疲れる。(褒め言葉)
作品の90%くらいは不快で出来ていますが、残りの数%の部分のメッセージも確かに受け取ったし、残るものもしっかりと。
同監督『ヒメアノ〜ル』や前作『空白』もそうですが、それだけ(胸糞)では終わらないのが吉田監督ならではですね。こういうの作るの上手過ぎます。
なにより主演のムロツヨシと岸井ゆきのの演技が巧すぎて心底やられた。
気持ちのベクトルが変わった時の怖さ、人間臭さ&人間の嫌な部分をこれでもかと体現。はらわたが煮えくり返る寸前のシーンから、ちょっと胸にくるものがあるシーンまで、その演技の振り幅は見事としかいえない。
(大好きな二人ですが一瞬ファンをやめようかとさえ思わされた😅)
脇役では、若葉竜也演じる梅川が『空白』で見た寺島しのぶ(草加部さん)ばりに印象に残るキャラで、人を苛つかせる顔や言動が絶妙◎
まぁ冗談抜きで不快だし、おすすめもできません。でも、嫌いにはなれない。そんな作品。
言いようのない感情と消えない後味+ムロさんの動き(ダンス)が脳裏に焼きつく。
主題歌「サンクチュアリ」空白ごっこ
挿入歌「かみさま」
“あと、お前も嫌い“