リコ

クライング・ゲームのリコのレビュー・感想・評価

クライング・ゲーム(1992年製作の映画)
4.5
ある映画ファンの方いわく、「監督はこの映画を作った後どれだけ駄作を撮ったとしても、お釣りが出る」、それだけの傑作だと。
私が最も愛する映画監督の一人、ニール・ジョーダンの名刺替わりの一作。サスペンスとしてもラブストーリーとしても最高に好き。あのオープニングの『男が女を愛する時』が流れる瞬間から1つ1つのシーンをそらで描けるくらい好き。

改めて見直すと、もちろん問題のある描写は目につくんだけども、それでも私個人はこの映画の良さには抗えない。そこは正直に認めてしまおう。
かの「秘密」についてネタバレを踏んだ後の(それも有名な映画評論家氏のレビューにおいて)初鑑賞で、何十回めかの今回もまた、最後までスマホに触ることもなくのめり込んで見ることが出来たのは、やはりストーリーテリングの巧さゆえだろう。アカデミー脚本賞はそのトリック云々ではなく、無理無駄のない語りのスムーズさに与えられたのだと信じている。(約30分×3部構成の、学校の教材に使えそうなぐらい端正なシナリオ)

この映画でスティーブン・レイという俳優を知った当時中学生の私は「大人になったらこんな男性に愛されるようになるんだ!」と密かに心ときめかせていた事は、まあ周囲は知る由もなく(笑)、しかし今でも理想の1人ではありますね、ハイ。男性諸氏は見習うように🤪
それと、主人公の仲間、リヴ・ゴーシュの香水をまとった女テロリストを演じたミランダ・リチャードソンも鮮烈だった。(だってヒロインをさしおいてメインビジュアルに使われてるぐらいだぜ)同年に出演した「ダメージ」では旦那に浮気される妻の役だったけど、そちらも怪演だった…。当時の観客は何を思わんや。

気がつけばU-NEXTでニール・ジョーダン映画のラインナップが充実しつつあるけど、この調子で「殺人天使」と「スターダスト」もよろしくお願いします🙏🙏🙏🙏
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