ENSAN

マイ・ブロークン・マリコのENSANのレビュー・感想・評価

マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)
3.8
メッセージは送れるのに返事はこない

主人公シイノは仕事の合間の昼飯中に親友マリコが自殺したことを知る、二人は小学校からの仲だった。
マリコという親友は知り合った頃から既に父親から虐待を受けていた、何度も救おうと思ったシイノだったがそれは叶わぬ思いで…やがて二人は大人になった。
マリコの暮らしていた一人暮らしの家に行くと警察がいて『早々に火葬された』事を知る。
マリコの実家を訪れ虐待していた父親からマリコの遺骨を奪い、シイノはマリコとある場所へと旅に出る…

共依存の強い親友を持つ女性を演じた永野芽郁の演技力が光る作品。
過去を振り返りながら遺骨になったマリコと過ごす日々はギリギリと心を締めつける、諦めたようなでも時に素直なシイノ(しいちゃん)の姿は痛々しくもあり力強くもあった。

『愛情』を一番間近に感じるハズの『家族』から虐待を受けていたマリコは『愛』というものがどんなことなのかがうまくわからず、求められる事が嬉しくて我々が感じる異常な状況も受け入れて(受け入れようとして)しまう。
だって彼女は知らないんだもん、その事実が締めつける…

「死んだ人に会いたいんなら生きなきゃだめなんじゃないですかねぇ」
ENSAN

ENSAN