KANA

ボーイズ・ライフのKANAのレビュー・感想・評価

ボーイズ・ライフ(1993年製作の映画)
3.7

デ・ニーロとレオの初共演作。
というか、本作の主役オーディションにてデニーロがレオの演技の才能を見出したことでレオは本格的な映画デビューを果たした。

1950年代。
DV夫と別れて人生の再出発を目指す母と息子。
フロリダからソルトレイクシティ、そこからシアトルへ。
でも、表面的には紳士的に見えた母の再婚相手はまたしてもDV男だった。
保守的な田舎町(ワシントン州コンクリート)で保守的な義父が支配する家庭に抑え込まれた少年の苦悩…

軽く構えて観たら、思った以上にハードな作品だった。

『ギルバート・グレイプ』の前だけど、デニーロが見抜いた通りレオの演技はすでに素晴らしい。
フラストレーションが溜まってモヤモヤしたりイライラしたり、でも理性で抑えて…という張り詰めた心境が痛々しいほど伝わってきて。
仲間との不良少年っぷりも瑞々しくハマってた。

デニーロ演じるドワイトが究極にヤなやつ。
最初の方の猫被った紳士ぶりからの掌返しときたら!
パワハラ、モラハラ、セクハラ、神経質、執念深い…
こんなに憎々しいキャラをあたかもドキュメンタリーっぽく迫力満点に演じ切ったデニーロの演技力はやはり素晴らしい。
逆にいうとドワイトあってこその作品なわけで。

一触即発の空気が漂う2人のやりとりで、ずっと手に汗握って何度も胸が締め付けられる。
どんな悲劇的な展開になってもおかしくない。
ラストのお母さんとのハグは泣けた…。

『マイ・ルーム』を経て30年後に『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』で主役として再共演を果たした2人。
感慨深いなぁ。


p.s.レオのリーゼントや角刈りのヘアスタイルはレア。
でもやっぱり『マイ・ルーム』『ロミオ&ジュリエット』『タイタニック』のサラサラヘアを分けた感じが一番すきだけど。
KANA

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