H列7番目

午前4時にパリの夜は明けるのH列7番目のレビュー・感想・評価

4.9
パリを冠した映画上映が、ミニシアターを中心に増えている気がしなくもなくもないここ数年。中でも特に気に入った作品がこちら。

80年代パリの音楽、ファッション、ラジオ、街並み、道並み、全ての色味がどこか燻んだ鮮やさを纏っていて、タバコの煙に隠されたもどかしさがアンニュイに漂う映画。

言葉が良い。
主演のシャルロットが囁くように話す声がいい。

家族の話、と言ったらそれまでだけど、そうじゃない。

『私たちは、素晴らしき他人』

家族、夫婦、親子、恋人、友達、ラジオ局で出会った迷い子でさえ、私たちは皆素晴らしき他人。

ウォンカーウァイのマイブルーベリーナイツが至極極上に好きな私には、掠れながら蕩ける色味がとても刺さってくる。これは生涯何度も観る作品になるな…。

邦題よりも原題が好み。
これは原題のまま出して欲しかった。
私もこの夜に乗りたい。
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