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父子情のmingoのレビュー・感想・評価

父子情(1981年製作の映画)
4.1
第一回香港映画賞最優秀作品とだけあってめちゃくちゃ良い。大林宣彦の父親モノみたいな郷愁感もあり羅家興と紹沖2人のバディものの少年映画としてもよく出来ている。チャップリンの映画を観た後チャップリン小走りで駆け抜けていき、家興が鼻血をタバコの葉でとめたときの姿がちょび髭を生やしたチャップリンでラジオからビートルズだったり全編通して異国の文化オマージュが所狭しと散りばめられており香港ならでは感が大変染みる。終始繰り返されるBGMアメージンググレイス、脳に刷り込まれた。観る人によっては父親が「悪」として映るかもしれないが自己中ピアスの行く末が映画作り→俳優→テレビマンとかなり奔放な設定で、父親のありがたみがラストにいくほど沁みるという素晴らしい構成(長年学習のお供だったボロボロの辞書を売り払うシーンも少年の性格難と進路難を増幅。逆にお姉ちゃんは元来・しきたり通りの結婚)。日本では羽が貰える募金が香港では旗、わんぱく少年が集まる2人で5銭で入れる秘密の映画館、感情を吐き出し街すべてが展望できる待ち合わせの岩場シーンは侯孝賢「フンクイの少年」の高層ビルの窓から少年たちが外を眺めるシーンに匹敵。高い場所は子供たちにとっての遊び場。ラストカットの飛行機ビューンまでアジアっぽい演出で最高。
エレベーターの上下ボタンにフロアのFがくっついたヘンテコデザインも笑った。
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