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リバーシブル/リバーシブルのmingoのレビュー・感想・評価

3.7
下世話かつ難しいテーマなのに、橋の下の野原を捉えた妖精探しのショットが印象的な、丁寧な映画。全編通してデリヘルドライバーの主人公田中さんの異常をきたした演技が良い。「お願いしますちょっとだけでいいからお願いします」の下品じゃない方の使い方にもかかわらず逆に下品な方を想起させる人物作りの秀逸さ。秘密の組織の情報と高架下の犯人のこと、得意なけん玉と月が綺麗ですねという決め台詞、がアイデンティティ。内容もりもり。
それと飯がどれも美味そう、小岩の焼肉大光苑、節約の卵かけご飯、頼んでいないサンチュ、頑張って自炊した焼きそば。
そして「妖精は土手にいる」「妖精も民主主義」などの見えないものと、見えている現実とのギャップに打ちのめされるがそれでも明日は続くという普遍のテーマを描ききった良作。

「菜の花畠に 入り日薄れ 見わたす山の端 霞ふかし 春風そよふく 空を見れば 夕月かかりて におい淡し」朧月夜
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