「天使」からさらに光を突き詰めたデジタルボカノウスキー。明らかにフォトショップのレイヤー感に違和感抱きつつも後半にかけて色々見せ方を変えてきて飽きることなく観れる。トークでの「マチエールが炎のように発色しているか」どうかが大事だというのは大変ためになる話だった。学生たちにきかせてあげたかった…
とちぎあきらトークメモ7.30
天使を一昨年リバイバルでしてもらった。監督にフィルムをお借りして4回のみの限定上映。観て「ハッピー」に思われたというのが興味深くてとちぎさんにゲストでお呼びした。今年の隅田川大会はやらないが散々花火が観れたのではないか。フィルムをとにかく集める、テレビ局に提供したりフィルム復元をするプロジェクトなどをやった。技術屋ではないので外部にお願い、立ち上げる・素材選ぶ・権利・公開→スーパーバイザー的な立ち位置。何度も同じ作品を詳しく観ることになる。構成などはやはりボカノウスキーやな、カメラオブスキュラではなく光そのものが前面に現れてくるような映画。天使の場合はオプティカルプリンタで光学処理されているレンズ処理だが対比で言うと太陽の夢は合成作業はデジタルのレイヤー感が非常に出てくる、「重ねている」のを意図的に感じさせる。途中で子供が寝ているところでバックで列車の音が流れアニメーションが出てくる。石器時代から車になるリノーのCM?ジャンヌチュラーが引用されている。ジャンヌマレー(煙の再現)の研究者ローランマノーニさん。16mm映写機のパフォーマンス。メタムキンはシンプルだがカラフルな感じはボカノウスキー。映画祭でノルシュタインと一緒になって「アドバイスするとしたら何と言いますか?」「バカ言うなよ、おれなら24時間かかるわ、いや待てよ良い質問だ。アニメーターには3つ必要だ。時間、リズム、マチエールが炎のように発色しているか」太陽の夢は天使と比べてかなりプライベート。はっきりしないクレイアニメの部分は孫のオリバーボカノウスキーが担当とクレジットしている。実験映画の醍醐味はそれぞれの意見があるから面白い。