パッと見アイアンスパイダーのような既視感のあるビジュアルですが、宇宙生命体が寄生しそれがメタリックではあるが有機的に割とグロテスクに交わっていく様はフレッシュでクローネンバーグ映画を想起させます。外連味があってキマっています。
この点、同じ宇宙からの寄生生物でもベノムとははっきりと差別化されていると思います。
ただ、ここの変身シーンが個人的に盛り上がりのピークでした。
アメリカに生きるヒスパニック移民映画としても意義があるものになっていたと思います。
そういえば居なかったヒスパニックヒーロー。
特にヴィランの陰惨な過去が負の歴史を一身に受け止めており、アメ公が搾取・暗躍し実際には同族同士が戦わされる構図は皮肉にも米国が起こしてきた数々の代理戦争を想起せざるを得ないです。
それでいて家族の団結に帰着する流れはキャッチーかつ盛り上がる大衆映画として一般に受け取りやすいようになっています。
CGのクオリティに若干の予算不足を感じましたが基本的には全体通して、家族との掛け合いが笑えて戦闘シーンで興奮できる楽しいヒーロー映画になっていました。オリジンとしてもよかったです。
DCUまで存続するか定かではありませんが『コブラ会』ファンとしてはシャロにこれからも同役で活躍して欲しいものです。
